この記事をまとめると
■世界的なSUVブームが続いており日本でも新車販売ランキングでSUVが上位に並ぶ
■シティ派SUVが順調に販売台数を伸ばす一方で悪路向けSUVは納期が長くなっている
■悪路向けSUVは専用部品も多くメーカーが生産ラインを増やせば即座に増産できるものではない
SUVブームが続く一方で長納期が解消しないモデルがある
いまはSUVの人気が世界的に高く、新型車の開発も活発だ。欧州メーカーを中心に、SUVの輸入車も急増した。その結果、SUVの人気がさらに高まり、売れ行きも一層増えている。
販売ランキングの上位にもSUVが多く入るが、売れ筋は、トヨタのヤリスクロス/カローラクロス/ハリアー、ホンダ・ヴェゼル/WR-Vなどだ。いずれも乗用車と共通の前輪駆動をベースにしたプラットフォームを使っており、シティ派SUVに分類される。
このタイプのSUVが増えた結果、需要に原点回帰が見られるようになった。SUVの出発点ともいえる悪路向けのトヨタランドクルーザー70/250/300、スズキ・ジムニー&ジムニーシエラが人気を高めている。これらのSUVは、後輪駆動をベースにした耐久性に優れたプラットフォーム、悪路で駆動力を高める副変速機を備えた4WDなどを搭載する。
そして、悪路向けSUVは全般的に納期が長い。ランドクルーザー300は、納期の遅延どころか受注を長らく停止させており、トヨタのホームページにも明記されている。ランドクルーザー250は、ホームページに記載はないが、複数の販売店が「KINTOを除くと受注を停止している」と述べている。
KINTOとは、トヨタが運営する定額制カーリースのことだ。これを使うとランドクルーザー250を4カ月程度で納車できるが、リースだから、最長7年の使用期間を終えると車両を返却せねばならない。最終的にユーザーが車両を買い取り、自分の所有にすることはできない。
また、KINTOは返却が前提だから、走行距離や車両の使い方に関する制約も多い。悪路向けのSUVでは、ドレスアップを楽しむユーザーも見られるが、KINTOではボディに穴を開ける改造はできない。リースだから、車両を借りていることを忘れず大切に扱う必要がある。