NFT技術によってクルマの情報をより正確に知ることができる
日本国内に限っていえば、車検証の備考欄にはオドメーターが示す数値などを記載することになっているため、大幅に走行距離を改ざんすることは難しいのだが、車検のタイミングでなくとも、ある程度信頼できるデータとして走行距離が明示されるというのはユーザーの安心感を高めることは間違いなさそうだ。
ところで、現在のWEB世界は一部のプラットフォーマー(サービス事業者)によってデータが管理され、収集されるといったスタイルが中心的であり、WEB2.0と表現されることが多い。
一方で、ブロックチェーンを活用した分散型・自律型のネットワークはWeb3(ウェブスリー)と呼ばれている。
我々はあまりにもWEB2.0的な世界観に慣れてしまっているが、その世界において情報の信ぴょう性というのは情報を管理・発信する事業者の信頼性とニアリーイコールといえる。前述した車検証の走行距離記載においても、制度を管轄する政府への信頼があるからこそ有効となっているのだ。
しかし、Web3的な世界であれば、ブロックチェーンという仕組みがデータの信頼性を高めてくれる。今後のアルファロメオ車において、NFT技術を活用してデジタル証明書を出せるようになるということは、政府やメーカーがデータの正統性を担保したり、保管したりすることなく、その個体にかかわる情報を信頼できるということになる。
はたして、自動車のリセールバリューを確保するのに、NFT証明書がどれほど機能するのかは将来の市場が決めることではあるが、クルマのデジタル化を次のフェイズに進化させるきっかけとなることを期待したい。