キャンプの代名詞「火」が見えない! EVだらけのオール電化アウトドア「EV Summer Camp 2024」に潜入した (2/2ページ)

アウトドアとの相性が思った以上にいいEV

 やがてお昼を迎えると、隣接した駐車場を拠点としたIONIC 5Nの体験試乗会がスタート。システム最高出力650馬力というスーパースポーツであるから、公道ではその性能のごくわずかしか味わえないだろうものの、EVオーナーにとって現在もっとも関心の強いモデルであることは間違いない。

 当日朝に試乗募集が開始されると、あっという間にすべての枠が埋まってしまったという。実際にステアリングを握ったEVオーナーからは、ベース車両のIONIC 5と比べて内外装の質感の高さや路面をがっちりと捉える走行安定性だけでなく、車内に響くエンジン(風)サウンドといったギミックについても好印象であることが語られた。

 今回は「EV Summer Camp 2024」に参加していたEVオーナーさんに、実際にEVを購入してみての感想を聞いてみた。外野からは「やれ充電が、やれ航続距離が……」などとデメリットを語られることも多いが、当のオーナーたちはほとんど気にしていないようで、むしろ内燃機関車では決して味わうことができなかったカーライフを、心の底から楽しんでいるのが印象的だった。

CAR:ヒョンデIONIC 5
OWNER:井出さん

 IONIC 5のエクステリアデザインが気に入って購入したという井出さん。人生初のEVということだが、購入前に心配していた航続距離や充電環境に関することはほとんど気にならないそう。むしろ維持費の安さや、長距離を走っても疲れない点など嬉しい驚きが多かったとか。

 愛車にはアメリカから個人輸入したというフロントリップやサイドスポイラーを装着、ホイールも社外製へ交換するなどドレスアップも楽しむ。今後は車高を下げたいとか。

CAR:BYDドルフィン・ロングレンジ
OWNER:金村さん

 ディーラーによる新車購入キャンペーンの情報を知り、これを機会にEVの世界へ飛び込んだという金村さん。都市部にお住まいということもあり、車体のコンパクトさや取りまわしのよさが条件となるなかで、BYDドルフィンは自身の生活にベストマッチだそう。実際に毎日の通勤や週末のドライブなど、ほぼ運転しない日はないというほど気に入っている。

 以前はMT車に乗っていたため、EVの運転する楽しさについても心配はあったとのことだが、発進加速やバッテリー搭載による低重心設計がもたらす走りなど、EVならではの魅力に「完全にハマっている」そうだ。

CAR:テスラ・モデル3スタンダードレンジプラス
OWNER:青木 保さん

 発注から納車まで、なんと3年半も待ち焦がれたという青木さん。それほどまでモデルSに興味を持ったのは、テスラのオートパイロット(自動運転技術)を体験してみたかったからとのこと。主に週末をメインに使用しており、同じテスラを所有するオーナーの仲間たちと長距離ツーリングを楽しんでいるとのこと。

 また、EVキャンプのような「電気をもち出せる」こともEVならではの魅力であり、環境性能や走行性能だけでなく、カーライフを豊かにするパートナーとしてのEVをもっと広めていけたらと話してくれた。

 開催3度目を迎えて、ますます盛り上がりを見せる「EV Summer Camp」。EVというと、航続距離や充電インフラなどから都市部での使用に特化した車両であるようなイメージを抱きがちだけれど、大量のエネルギー源である電気を抱いたまま移動できる点は、アウトドアとの相性の良さを感じさせる。なんといっても環境への影響を気にせず、真夏でもエアコンを作動させたまま車中泊ができたり、豊富な電力を使用してアウトドアで調理を楽しめる点は大きな魅力だ。

 今後もますます充実が予想されるEVにおいて、さらなる普及のカギとなるのは航続距離やアフターサービスといった点よりも、EVがもつ「さまざまなカーライフに対応できる遊びのパートナー」としての優れた資質にあるのかもしれない。


新着情報