日本郵政がミニキャブEVを3000台発注! EVのデメリットを感じにくい「商用EV」が一気に普及する可能性!!

この記事をまとめると

■三菱自動車が日本郵政から3000台のミニキャブEVの発注を受けたことを発表

■乗用車メーカーだけでなくベンチャー企業や大型車メーカーも軽商用バンのEVを開発している

■クルマの電動化は経済的にも労働環境においても新たな価値をもたらすことになる

走行距離が比較的明確な軽商用車は電動化するにはうってつけ

 三菱自動車工業の商用電気自動車(EV)であるミニキャブEVを、日本郵政が集配用車両として3000台発注したという。三菱自は、ミニキャブEVの前型であるミニキャブ・ミーブを、2013年以降5000台日本郵政へ納入した実績をもつ。今回の台数を加えると8000台に達する。

 日本郵政は、2022年に、保有する11万3000台の軽商用と2輪車の電動化を進めるとしており、今回のミニキャブEV導入はその一環といえる。すでに軽EVバンと電気2輪の配達車を見かける機会が増えている。

 国内のEV普及率は、一昨年の日産サクラ/三菱eKクロスEVの発売により、数パーセント台へ改善されたが、なお海外の10%以上という状況とは隔たりが大きい。

 そうしたなか、走行距離が比較的明確な軽商用EVへの期待がある。三菱自のミニキャブEVが、ミニキャブ・ミーブを含めもっとも数多くの実績を持つが、ホンダも、販売が延期されていたN-VAN e:をこの秋には発売する予定だ。

 ほかに、ASFというベンチャー企業も軽商用バンのEVを開発し、オートバックスグループの店舗を通じて販売・整備・充電などを行うことを検討している。

 HWエレクトロは、エレモKという軽商用EVを2021年から発売しており、中型EVバンや、EVダンプカーも今年から発売を開始した。大型車メーカーである日野自動車や三菱ふそうトラック・バスなどは、小型のEVトラックの販売を行っている。

 そうした商用EVの場合も補助金の適用がある。しかし、まだ十分に浸透しておらず、予算を残している事例もあるようだ。

 また、東京都の場合は、クールネット東京という政策の一環として、国からの補助金のほかに東京都からの支援を受けることもでき、乗用EV同様、より手厚い補助で商用EVの導入ができそうだ。

 人口の密集する都市部では、早朝や深夜の配送による騒音公害などへの配慮を含め、EV化の利点は事業者だけでなく、住環境の改善にも効果があるはずだ。

 また、あえて燃料補給で給油所に立ち寄らなくても、仕事を終え事業所へ戻れば充電ができ、就労者の働き方の改善にもつながっていくのではないか。

 クルマの電動化は、単に脱二酸化炭素による気候変動対策にとどまらず、経済的にも労働環境においても、新たな価値をもたらすことになるだろう。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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