いま「コンパクトSUV」が大盛り上がり! 迷える喜びと選ぶ難しさのある国産5台を徹底比較 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2024年度はコンパクトSUV市場が盛り上がっている

■海外試乗から導入される話題のモデルから人気車種のマイナーチェンジまで種類が豊富だ

■一部モデルでは価格が高額となるのでライフスタイル次第では損する場合もある

コンパクトSUV市場は大激戦区!

 市街地での扱いやすさと、ロングドライブの快適性、ちょっとした雪道なんかも安心の頼もしい走破性を兼ね備えているコンパクトSUV。以前から人気でしたが、今年度はニューフェイスやマイナーチェンジモデルが増えて、とくにコンパクトSUVが豊作です! それぞれキャラクターが異なり、ピッタリのユーザー像も変わってきますので、ここでその違いと狙い目車種をご紹介したいと思います。

 まずは、1.5リッターガソリンのFFモデルのみという割り切ったラインアップと、インドなどのアジアを主戦場として開発されたことで、日本のユーザーにもうれしいポイントが揃っているコンパクトSUV、ホンダWR-V。ボディサイズとしてはヤリスクロスより大きく、ヴェゼルよりほんの少し小さいくらいなので、ファミリーカーとしても十分に使える居住性があります。

 インドで販売されることで、日本人にもメリットとなるポイントはまず後席がコンパクトクラストップレベルの広さを誇ること。インドではターバンを巻いている人も多いことから、天井の高さもしっかり確保されています。そして、暑い地域なので、後席用のエアコン吹き出し口もマスト。国産コンパクトSUVではまだ装備されていないモデルもあるので、これは猛暑が増えた日本でもありがたいところですね。

 ただ、シートヒーターがなかったり、サイドブレーキが手動であったりと、装備にはやや割り切りが感じられますが、その代わり価格はトップグレードでも250万円以下というのがうれしいところ。その走りもガッシリとして頼もしく、ロングドライブも快適。ラゲッジはヴェゼルよりも少し広いくらい大容量なので、レジャー好きで荷物をたくさん積みたいファミリーにもおすすめです。

 続いて、2024年秋に発売を予定しているニューフェイスといえば、スズキ・フロンクス。こちらはすでにインドで販売されて人気のあるモデルですが、日本で販売するにあたって安全装備や快適装備を追加しており、シートヒーターも備わります。搭載されるパワートレインは、1.5リッターガソリンにFFと4WDを設定。走りのチューニングも日本の道に合わせて再度行っているというだけあって、クローズドコースでの試乗でしたがとても快適でした。

 スズキらしく収納スペースやラゲッジの使い勝手もしっかりと作られていますが、室内全体の広さはWR-Vほどは広くない印象。その分、内外装の個性や質感、カラーコーディネートにこだわり、都会的な雰囲気とSUVらしさを融合したデザインが光ります。3人くらいまでのファミリーや、スマートに乗りこなしたいシングル世代におすすめです。

 次に、マイナーチェンジでより魅力的になった、コンパクトSUVの代表的モデルであるホンダ・ヴェゼル。これまでは都会的なイメージが強かったデザインでしたが、アウトドアテイストを表現した「HuNTパッケージ」が登場し、日常だけでなく休日はアウトドアを楽しみたい人にとっても選びやすくなっています。

 プライムスムース×ファブリックのコンビシートは、カーキ、グレー、ブルー、オレンジのマルチカラーが個性的。ファブリックには撥水・撥油機能のあるFABTECTを採用しているので、汚れても濡れても掃除がしやすく、綺麗が長続きするのもうれしいところです。

 また、遊び心とトレンドを押さえた内外装がオシャレな従来の「PLaY」グレードでは4WDが選べませんでしたが、マイナーチェンジ後はフル装備となる「Z」に「PLaYパッケージ」が用意され、快適装備満載で4WDも選べるようになっているのがうれしいところ。

 その4WDもいわゆる電制四駆ではなく、メカニカルな四駆システムを採用しているので、雪道やちょっとしたオフロードなどでも頼もしい走りが手に入ります。都心部に住みながら、休日にはアウトドアやウインタースポーツなどへ頻繁に出かけるようなファミリーや、オシャレな内外装にこだわるシングル世代におすすめです。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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