今年の軽市場はスズキの勝利か
軽自動車では引き続きダイハツの復調傾向が気になるところ。軽四輪車総販売台数では4万435台となり、トップのスズキと8192台まで差を縮めているものの、軽四輪乗用車販売台数ではトップのスズキとの差が約1.2万台まで広がってしまっている。軽四輪貨物販売台数では逆にスズキを4225台引き離してダイハツがトップとなっている。何も問題がなく、ダイハツが軽四輪車総台数でトップに君臨していたときも、軽四輪乗用車ではスズキに抜かれることが多かったので、傾向としては変わらないともいえる。
すでにコロナ禍に入っているものの、2020年7月にダイハツは軽四輪車総台数で約5.2万台販売しており、2020年7月と2024年7月を比較すると、2020年7月比で76%、以下軽四輪乗用車では65%、軽四輪貨物で110%となっている。コロナ禍かどうかなどに関係なく、軽四輪貨物販売台数で総販売台数の積み増しをしているともいえる。
ダイハツは認証問題を経て、当面2024年いっぱいは新型車の発売は行わないとしているので、「客寄せパンダ」がいないなか、軽四輪乗用車販売促進も苦しい状況が続いていることも影響しているようだ。また、2024年末には再び生産中止となる車種があるようなので、完全復調までにはまだ時間がかかるようである。
スズキが年後半に向け、登録車ではコンパクトクロスオーバーSUVとなる「フロンクス」を、そして軽自動車ではスペーシアの派生車種「スペーシアギア」を発売予定なので、販売台数統計では「台風の目」となりそうだ。
スペーシアギアの新型登場を警戒してか、届け出済み未使用中古車や、中古車専業店などでの委託販売車種(未届け新車)では、三菱デリカミニが目立ってきている。スペーシアギアは現行モデルでも、スペーシアシリーズの販売台数上積みに大きく貢献したほどの人気モデルだったので、ライバルともいえるデリカミニは相当な警戒態勢に入っているようだと事情通からも聞いている。
ダイハツの現状を見れば、スペーシアギアでダメ押しする形で、2024暦年締め年間新車販売台数や、2024事業年度締め年間新車販売台数などでスズキがトップを確実なものにしようとしているのかもしれない。