赤色灯を光らせたパトカーが後ろから接近……でもサイレンは聞こえない!? 道を譲る必要ある?

この記事をまとめると

■パトカーは赤色灯を点灯させつつサイレンを鳴らさないで走っていることがある

■赤色灯が光っててもサイレンを鳴らしていないと一般車両と同じ扱いになる

■赤色灯のみが光っているときは防犯パトロール目的とスピード違反の取り締まりのときだ

サイレンは聞こえないけど赤色灯が点灯したパトカーが迫ってきた

 パトカーや消防車、救急車など、緊急車両が後ろから近付いてきた場合、ドライバーは道を譲らなければならない。

 しかし、緊急車両には要件があって、パトカーや消防車であっても、「緊急の用務のため運転するときは、(中略)サイレンを鳴らし、かつ、赤色の警光灯をつけなければならない(道路交通法施行令 第14条)」というルールがある。

 したがって、サイレンを鳴らさず、赤色灯を点けていない車両は、パトカーや消防車であっても、進路を譲る必要はない。

 ところが厄介なことに、ときどき赤色灯は点灯しているのに、サイレンは鳴らしていないパトカーを見かけることがある。

 これは緊急車両扱いになるのか、それとも?

 これは法的にいうと、緊急車両ではなく、一般車両と同じ扱いになるので、近づいてきたとしてもとくに進路を譲る必要はない。

 では何のために、赤色灯だけつけて走っているのか? これはまさにパトカーの本務ともいえる防犯パトロールのため。

 赤色灯がついているパトカーは、街のなかでもよく目立つ。そうしたパトカーが目についたのに、交通違反をする人や空き巣に入ろうとする人、ひったくりをしようとする人、痴漢行為をする人、そのほかの犯罪を実行しようとする人はまずいない。パトカーがこの周辺をパトロールしていることを知らせることで、防犯効果が高められるので、そのために「サイレンなし・赤色灯あり」で、走行していると考えていい。

 もっとも、ひとつだけ例外がある。それはスピード違反のクルマを取り締まる場合。

 先の「道路交通法施行令 第14条」のなかに、「警察用自動車が、スピード違反のクルマを取り締まる場合において、とくに必要があると認めるときは、サイレンを鳴らすことを要しない」とあるからだ。

「とくに必要がある」というのがどのようなケースを指すのかは定かではないが、スピード違反の車両を追尾しているときは、パトカーだって猛ダッシュをしているはずなので、その状況はすぐわかるはず。ノーサイレンで、なおかつ赤色灯を点けながらすごい勢いで後ろからパトカーが迫ってきたら、進路を譲るべきだろうが、そのときは、おそらく自分のクルマを捕まえるために追いかけてきたと思ったほうがいいだろう……。

 それ以外で、パトカーが周囲のクルマのペースに合わせて、赤色灯だけ点けて街なかを流しているようなときは、緊急性がなく、防犯パトロールを行っているだけなので、ビクビクせずに(?)、普段どおり走り続けて構わない。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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