ドアを開けた姿が「蘭」に見えるから花の名前を付けちゃいました! 発表から7年でも市販されない1000馬力EVハイパーカー「デンドロビウム」とは? (2/2ページ)

4モーターで1000馬力で最高速度は320km/h以上

 ドアなどをすべて開いたときの姿が、先に触れたデンドロビウムに似ていることから、このクルマはそう命名されたというのがジュネーブショーでの彼らからの説明だった。

 もちろんデンドロビウムのボディは、ただ単に造型の面白さを狙ったものではない。そこにはボディからリヤフェンダーを独立してデザインするなど、エアロダイナミクスを強く意識した処理も見られ、またリヤビューからはリヤサスペンションを始め、そのメカニズムの一部を目にすることもできる。それは整備性の向上にも大きく貢献することは間違いのないところだ。

 注目のパワーユニットは、各輪にそれぞれエレクトリックモーターを組み合わせる4モーター方式。最高出力はトータルで1000馬力に達し、0-97km/hを2.7秒で加速するほか、最高速では320km/h以上を可能にするというのが、ジュネーブショー時点で公表された数字だった。

 モノコックやボディはもちろん軽量なカーボン製。この軽量性と1000馬力の最高出力で、ヴェンダ・エレクトリック社は、デンドロビウムを、2020年から150万ユーロの価格で100台限定生産する計画を掲げていた。

 過去にはさらにハイパワーな1800馬力仕様のD1デンドロビウムの開発にも、やはりウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングとともに成功しているヴェンダ・エレクトリック。残念ながら現在までに、それがカスタマーのもとにデリバリーされたという正式なリリースは届いていないが、そのプロダクション化に向けての計画は、着々と動いているとみるのが期待を込めた見方といえるのではないだろか。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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