ドアを開けた姿が「蘭」に見えるから花の名前を付けちゃいました! 発表から7年でも市販されない1000馬力EVハイパーカー「デンドロビウム」とは? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2017年のジュネーブショーでEVヴェンチャーのヴェンダからデンドロビウムが発表

■ドアなどを開いた姿がシンガポール原産の蘭に似ていることから「デンドロビウム」と名付けられた

■各輪にモーターをもつ4モーター方式で最高出力はトータル1000馬力で最高速は320km/h以上

シンガポール発のハイパーカー「デンドロビウム」

 それは2017年3月に開催されたジュネーブショーでのことだった。この年のジュネーブショーは、それまでもそうだったように、ホットなハイパフォーマンスカーやスーパーカーが数多く登場した、じつに華やかなショー。その伝統のショーが、それから10年も経たないうちに消え去ってしまうとは、そのとき誰が想像することができただろうか。

 自国に大規模な自動車メーカーをもたないジュネーブショーは、世界中のメーカーに平等な、そして常に数多くの話題を提供してくれるイベントだったのである。

 ここで紹介するヴェンダ・デンドロビウムも、この年のジュネーブショーでプロトタイプが世界初公開されたスーパーカー、いやその最高出力の数字を知れば、ハイパーカーと呼ぶに相応しいニューモデルだった。

 ヴェンダとは、シンガポールに本社を置くEVヴェンチャーで、ネーミングとして選ばれたデンドロビウムもまた、シンガポールが原産となる蘭科の植物の名。実際の車両の開発には、すでにこの時点でEVに多くのノウハウをもっていた、ウィリアムズの関連会社、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング社が、それに密接に関係している。

 フォーミュラーカーのノーズコーンをイメージさせるようなフロントセクションの造形や、縦方向に描かれる造形をもつドライビングランプ、そしてヘッドライトは、その上部の湾曲したラインの外側にレイアウトするなど、独創的なフロントマスクを実現したデンドロビウム。

 ほかにも2シーターのキャビンに乗り込むための後方に向かって開くドアや、ドライバーが希望するときにはルーフを収納することができるなど、デザイン的、機能的にはさまざまな特徴をもつモデル。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報