真夏は外も車内も危険だらけ!
■ゲリラ豪雨(とくに雹害)
近年、1時間の雨量が100mmを超える猛烈な雨が降ることが増えた印象があります。事実、気象庁の発表によると、1時間あたりの降水量が80mm以上、3時間あたりの降水量が150mm以上、そして、1日分の降水量を表す日降水量が300mm以上といった強い雨は、1980年頃と比較して2倍程度に増加しています。さらに、雨量が多いケースほど頻度が増加しています。つまり、外出先でゲリラ豪雨に遭遇する確率が高まっていることを意味します。
突然の大雨で道路が冠水し、「大丈夫だろう」と突っ込んでいってエンジンが停止……水没車になってしまう可能性も同じように高まっているのです。さらに気をつけたいのが「雹害」です。ピンポン球くらいの大きさの雹がボディに直撃するとかなりの確率で凹みます。屋根などにダメージを受けると板金塗装で直すしかなく、さらに「雹害車」の扱いとなってしまいます。お天気アプリや雨雲レーダーを駆使すればゲリラ豪雨を回避できる確率もあがるので有効に活用してください。
■リヤシート周辺の室内温度(車種によってはリヤエアコンがない場合も)
猛暑日が続くこの時季、もっとも活躍する装備といえばエアコンです。この猛暑のなか、エアコンがない状態でクルマを運転するのは苦行というより危険な行為になりつつあります(筆者もエアコンがない旧車を所有していますが、さすがに乗るに乗れない状態です)。エアコンがついているクルマであれば。運転席&助手席のまわりはエアコンの冷風の吹き出しがいくつもあります。しかし、リヤシートはというと、思った以上に暑い!
3列シートでも大人がある程度余裕をもって座れる比較的大型のミニバンのように、リヤシートに人が乗る頻度が高いモデルであれば、リヤエアコンが標準装備されているケースが多いでしょう。しかし、コンパクトサイズのミニバンや軽自動車では、一部のグレードにしか設定がないどころか、そもそもリヤエアコンが装備されていないモデルもザラ。2列目、3列目シートにお子さんや家族を乗せる機会が多い場合、リヤシートの温度設定にも気を配るようにしてください。
■スマホやタブレットなどの電子機器の放置
今や、多くの人にとって生活必需品となったスマートフォン。なかにはタブレットも所有している人もいるでしょう。これらには、モバイルバッテリーが内蔵されています。意図的に、あるいはついうっかり車内に放置して、炎天下のなかで何時間も高温にさらされるといったときに気をつけたいのが高温による発火です。
もし、モバイルバッテリーが発火して火事になってしまった場合、車体が燃えて鉄くずになってしまいます。ホンの30分程度だから大丈夫ではなく、クルマから離れるときは車内から持ち出すことを強くおすすめします。
■まとめ:2024年7月は過去126年間でもっとも暑い1カ月となった
2024年7月の全国の平均気温は平年と比べて2.16度高くなり、気象庁が1898年に統計を取り始めてから126年間でもっとも暑い1カ月となりました。ちなみに、第2位は2023年。去年と今年はとくに暑い夏だということがわかります。
一昔前のように、子どもたちに向かって「夏休みだからと家でゲームばかりしていないで外で遊んできなさい!」とはいえなくなってしまいました。
人もクルマも過酷な状態が続いています。それを打開する手立てが必要なのかもしれません。