マクラーレンのスーパースポーツ「エルバ」は復活車名だった! 1960年代に生み出された「元祖エルバ」とは (2/2ページ)

2024年のモントレーカーウィークのオークションに登場予定

 しかしながらゴスは、マーク1のエアロダイナミクスに不安感を示しており、それを解消するために、翌年に向けて新たにマーク2スタイルのアルミ製ボディをワシントン州シアトルのウォーリー・ピートに製作させたのだ。

 夏のUSRRCシーズン終了後、その秋に開幕したCam-Amシリーズに姿を現し、最終戦では10位というベストリザルトを残したのである。

 その後1967年、ゴスはローラT70を購入。不要となったマクラーレン・エルバ・マーク1は、カリフォルニアのレーシングドライバーの手にわたり、ここから徹底したレストアを受け、ニュージーランドを拠点とする現オーナーの手に渡っている。

 魅力的なスタイリング、そして確かな競技の歴史、加えて厳密なレストアを受けたマクラーレン・エルバ・マーク1は、Cam-Am初期の作品のなかでもっともカリスマ性の高い、じつに見事な一台ということができるだろう。

 そのエルバの名が21世紀を迎えて戻ってきたこと。それはマクラーレンのファンにとっては、またとない歓びにほかならない。

 ちなみにこの20-14のシャシーナンバーを持つモデルは、8月17日にはRMサザビーズのモントレー・オークションに姿を現す予定。はたしてどれだけの価値がこのモデルには見出されるのか。参考までにRMサザビーズ社による予想落札価格は20万~25万ドル(原稿製作時点で約3084万~3855万円)。モントレー・オークションのひとつの話題になるのは確かなようだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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