この記事をまとめると
■マクラーレンは1964年に24台の入門用レーシングカー「エルバ」を製作した
■マクラーレン・エルバ・マーク1は有名なCan-Amシリーズにも出場をしていた
■エルバ・マーク1は2024年8月のモントレー・オークションに姿を現す
マクラーレン初期の入門用レーシングマシン
マクラーレン・エルバという車名を聞いて、ほとんどの人が思い浮かべるのは、P1、セナ、スピードテールに続くマクラーレンのアルティメットシリーズとしての第4弾に相当するモデルだろう。フロントスクリーンすら持たない(後にフロントスクリーンを備えたモデルも製作されるが……)そのスタイルは、まさにスパルタンなレーシングカーといった雰囲気だ。
それもそのはず、マクラーレン・エルバとは、その歴史をさかのぼれば、1964年に24台分が製作された、マクラーレンのマーク1シャシーから生産された、同社の入門用レーシングカーだったからだ。
そのマクラーレン・エルバ・マーク1には、V型8気筒のシボレー、フォード、そしてオールズモービルのエンジンが用意されていたが、それらには各々信頼性の高いヒューランド製のLG5004速トランスアクスルが採用されていた。
そのなかでも特筆すべきシボレー・エンジンを搭載したシャシーナンバー20-10は、ニューヨーカーのマイク・ゴスに納車され、彼が積極的に参加していたSCCAやUSRRCといったシリーズにたびたびエントリーしていたのだ。
ゴスは1965年にはオートウイーク選手権に参戦する計画だったが、同シリーズは1996年にはCan-Amシリーズへと移行することも同時に決定していた。
マクラーレン・エルバ・マーク1の正式なデビューレースは1965年10月にワシントン州ケントで開催されたが、ゴスはさまざまなトラブルに見舞われ、まともなレースウイークエンドを送ることができなかった。だが、その翌週に開催されたカリフォルニア州モントレーでのラグナセカ200マイルレースでは10位入賞を果たす。