R33GT-RにNSXにスープラ! F40にカウンタックまで! 30周年を迎えたスーパーGTの参戦マシンを振り返る (2/2ページ)

箱のついたフォーミュラレベルの領域に

 ちなみにJGTCのラストイヤーとなった2003年にはレギュレーションで、フレーム構造のパイプフレーム化やフラットボトム化、サスペンション形式およびエンジン搭載位置の自由化が認められるようになり、この辺りからGT500車両の“プロトタイプカー化”が加速した。

 このなかで誕生した名車が、GT-Rの跡を受け継ぎ、2004年から日産の主力モデルとして参戦した33型のZで、GT-Rで実績のあったV型6気筒ツインターボのVQ30DETTエンジンを踏襲するほか、低重心化を追求することにより、本山 哲/リチャード・ラインおよびNISMOによる2部門制覇を実現した。

 また、2009年からはカーボン製モノコックが採用されたほか、エンジンもフォーミュラ・ニッポンで採用されていたV型8気筒3.4リッターの自然吸気に統一されるなど、レギュレーションが一新された。駆動レイアウトはFRに限定されたことから、2010年よりホンダはGT専用のFRモデル、ホンダHSV-010を投入。同マシンはNSXを凌駕するほどのコーナリング性能を発揮しており、小暮卓史/ロイック・デュバルおよびウィダー・ホンダ・レーシングが二冠を達成した。

 2014年からはドイツの人気ツーリングカーレース、DTMと統一の規定が採用されるようになり、モノコックやリヤウイングなどが共通化されたほか、エンジンもスーパー・フォーミュラで採用されている直列4気筒2リッター直噴ターボが搭載されるなど、大幅に車両規定が変更された。

 これに合わせて、トヨタに代わって2006年から参戦を開始したレクサスもSC430からRC Fに主力モデルをスイッチしたほか、ホンダもHSV-010に代わってNSX CONCEPT GTを投入した。両モデルともにブランニューのマシンだったが、ダウンフォースが増したことで、抜群のパフォーマンスを見せていた。

 このようにスーパーGTのGT500クラスでは、30年間にさまざまなモンスターマシンが登場。そして、2024年以降もスーパーGTだけでしか見られない独自のマシンが誕生していくことになるだろう。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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スバル・フォレスター
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登山
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