この記事をまとめると
■新型ホンダ・フリードが発売後1カ月で月間販売台数の6倍となる3万8000台を受注した
■新型フリードはグレードやシートの仕様、駆動方式により細かな部分に違いがある
■グレード、5/6/7人乗り、FF/4WD選びの参考となるトリビアを紹介
新型ホンダ・フリードの販売が絶好調
このWEB CARTOPでは、発売後、約1カ月で月間販売台数の6倍(!)となる約3万8000台もの受注となった新型フリードの概要、試乗記、直接的ライバルのシエンタとの比較記事をお届けしているが、じつはそこに書ききれなかった、とっておきのトリビアがある。トリビアといっても、グレード、5/6/7人乗り、FF/4WD選びの参考になりうるので、そのあたりが気になる、迷っている人はぜひ耳を傾けていただきたい。
2列目席シートスライド量は4種類あり
まずは、ミニバンの特等席となる2列目席の膝まわり空間についてだ。新型フリードのカタログには、3列シートFF車のスライド量が360mm……というのは記載されている。が、それ以外の仕様については謎である。そこでパッケージオタクでもある筆者は、各仕様のスライド量を徹底調査。その結果が以下のとおりである。合わせて、身長172cmの筆者が2列目席に着座したときの頭上、膝まわり空間の実測値についても報告したい。
各仕様のスライド量は、すでに明らかになっている3列シートFF車のスライド量が最大の360mmで、最後端までスライドさせると頭上に230mm、そして膝まわりに、なんと格上ミニバンのステップワゴン(の通常スライド時)に匹敵する360mmものスペースがあるのだ。コンパクトミニバンにして、もう筆者が足をゆったり組めるほどである。キャプテンシートのソフトでソファ的なかけ心地とともに、極上の居心地を体験できる。
次に2列目席膝まわり空間が広いのは、3列シート4WDの300mm。FFより60mmスライド量が足りないのは、スライド後方にデフがあるためだ。よって、膝まわり空間はFFの360mm-60mm=300mmになる。とはいえ、これでも十二分な余裕がある。
新型フリードで、2列5人乗りを用意した大空間ワゴンと呼べるクロスターの2列シート仕様はといえば、FF/4WDを問わず後席のスライド量は240mmとなる。リヤ側のスライド量が制限されるため、FFと4WDの差がないということだ。膝まわり空間はゆったりと座れる260mmである。
2列目キャプテンシートは膝まわりもゆったり
では、新型フリードでもっとも2列目席のスライド量が少ないのはどれかといえば、7人乗りベンチシートのFF/4WDで、こちらはたったの120mm。膝まわり空間は最大230mmとなる。
つまり、2列目席でよりのびのび、広々とした膝まわり空間を味わいたいなら、エアー、クロスターの3列シートFF車を選べばいい。
エアーとクロスターでは快適なシートのかけ心地がちょっぴり違う
シートのかけ心地もじつは仕様によって異なる印象だった(身長172cm、体重65kgの筆者による)。新型フリードのシートはエアーEX用のファブリック×合皮コンビシートと、エアーのフルファブリックシート、そしてクロスターのジャージ風ファブリック×合皮コンビシートの3種類がある。すべて、先代ステップワゴンのスパーダMC時から採用された、ホンダとTBカワシマの共同開発によるファブテクトという撥水・撥油機能をもつ素材が使われている。
かけ心地面でもっともいいと思えるのが、座面、背もたれの分厚いクッション感とともに、座面のたわみ量がたっぷりあり、ソファ感覚のかけ心地が得られ、なおかつお尻の沈み込みによってサポート性にまで優れるエアーEX用のファブリック×合皮コンビシートだった。それは前席だけでなく、2列目キャプテン、ベンチシートも同様だ。
基準グレードのエアー用のフルファブリックのシートも、エアーEX用のファブリック×合皮コンビシートほどではないにしても、かなり快適なソファ感覚のかけ心地が得られるといっていい。そうしたエアーのシートのかけ心地の素晴らしさは、極上の乗り心地面にも一役買っているといっていい。
素材違いとなるクロスターのジャージ風ファブリック×合皮コンビシートはどうかといえば、こちらはやや硬めのホンダ車らしいクッション感となり、ファブリックのたわみ量、お尻の沈み込み量も少なめ。エアーのソファ感覚のかけ心地ではなくなるが、クロスターのクロスオーバーテイスト、タフネスイメージからすれば、これはこれでマッチングしているのかも知れない。