エンジンレスなパッケージで独特なスタイルを実現
で、彼らを突き動かしたのが「フルサイズトラックは米国の炭素排出の1割以上を占める」というデータ。環境系のニュースにうるさい人が多いアメリカならではって感じ。そこで、テロ社はスペース効率に優れたバッテリー技術をはじめ、最新の先進安全技術やまったく新しい材料技術を用いたトラックを開発することに。それこそが「ミニのサイズで、タコマの仕事量」を掲げたテロトラックなのです。
全長はミニと同等の3.8m(!)ながら、キャビンは身長180cmの大人が無理なく4人乗れるスペースを確保。また、ベッド(荷台)の容量はタコマとほぼ変わらないといいますから、いかに効率に優れたスタイルかよくわかります。いうまでもなく、テロ社が誇る省スペースなバッテリーが功を奏しているほか、エンジンレスなパッケージが自由度を上げているに違いありません。
独特なショートノーズを見て「衝突安全性に問題あり!」とドヤ顔する方がいるかもしれませんが、こちらも耐衝撃性&復元力に優れた新素材の採用に加え、前述のレーダーシステムなど、先進のパッシブセーフティ機能でクリア。アメリカの基準はわりと厳密ですから、テストをパスしていればまず問題ないはず。
テロトラックの荷台はパーティションが折りたたみ式のミッドゲートで、開くとベッドの長さが8フィート(約2.4m)に伸び、長さ4フィート(約1.2m)の合板を収めるのに十分な幅を確保しています。目標積載量は1600ポンド(約726kg)、最大牽引能力は6600ポンド(約2994kg)で、日産フロンティアやシボレー・コロラドといったフルサイズトラックと同様。と聞くと、フルサイズを苦労して転がすのがイヤになるかもしれませんね。
床下スペースは、特許出願中の高電圧バッテリーが占めています。106kWhのパックの上部にはセルを結合するために必要なすべての配線とコネクタを納め、高さはわずか4インチ(約10cm)。航続距離は350マイル(約560km)を目標としており、充電時間は20〜80%で20分です。
合計出力は500馬力と301lb-ft(約41.6kgm)のトルクで、0-60mph加速は4秒といいますから、トラックとしては十分すぎるパフォーマンスかと。なお、現状の設計では最低地上高が10インチ(約24cm)、ホイールのトラベル量が8インチ(約20cm)で、オフロードで歯が立たない、というわけでもなさそうです。
とかくスタートアップ企業は製品やサービスのリリース前に派手な花火を打ち上げて、投資マネーを集めるものですが、なんだかテロトラックは開発ロジックがしっかりしてそうで、リアルに期待できそうな気がしてなりません。販売価格は5万ドル(約760万円)を予定しているとのことですが、多少高くなったとしても、既存のゴージャスなフルサイズトラックに比べたら手ごろなもの。そう考えると2026年のローンチにワクワクし始める方も少なくないでしょう。
そんな新しもの好きは、ぜひテロの公式サイトで予約をしてみてはいかがでしょう。わずか152ドルのデポジットで夢のあるトラックが予約できますよ!