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誰でも扱えそうな装置だけど……じつは危険と隣り合わせ! トラックの「テールゲートリフター」の「法定教育」が義務化された理由 (1/2ページ)

誰でも扱えそうな装置だけど……じつは危険と隣り合わせ! トラックの「テールゲートリフター」の「法定教育」が義務化された理由

この記事をまとめると

■運輸・物流業務の「法定教育」について解説

■「法定教育」とは事業者が従業員に定められた内容の教育を行うこと

■テールゲートリフターの操作にも「法定教育」が適用された

テールゲートリフターに「法定教育」を適用

 運輸・物流業務に携わっていると、よく「法定教育」という言葉を聞く。これは、読んで字のごとく「法律で定められた教育」という意味で、一般に「特別教育」と呼ばれているものだ。労働安全衛生法では、従業員に危険があったり有害になったりする可能性のある業務を行わせる場合、事業者が定められた内容の教育を受けさせたのちに、作業や運転をさせなければいけないと定められている。

 これが2024年2月1日以降、トラックに装着されているテールゲートリフター(パワーゲートともいうが、これはメーカーの登録商標)の操作にも適用されることになったのだ。

 この装置は、軽トラックから大型トラックまで、多くの車両に取り付けられているメジャーなもの。おもにトラック荷台後部に装着され、簡易なエレベータといったイメージである。動力や力の伝達には、電動モーター・油圧・真空・チェーン・ワイヤーなどが用いられており、これらが簡単な操作で大きな力を生み出しているのだ。

 テールゲートリフターは、かご車・ドーリー・台車などに搭載された重い荷物や、振動に気をつけなければならない精密機器などを、荷台から段差のある地上などに出し入れするときにたいへん便利。これを使用すれば荷役作業の効率がよくなることはもちろん、作業者であるトラックドライバーの負担が軽くなるので、労働環境の改善にもつながる。ひいては2024年問題解決の一助にもなるなど、メリットが大きいといわれているのだ。

 ところが、トラックの荷台から地上までは相当の高さがあり、さまざまな安全対策が行われているとはいえ、この装置にまつわる事故が少なくない。作業者や荷物が昇降板から転倒・転落したり、それによって人が下敷きになったりする事故のほか、昇降板と車体や地面などの間に挟まれるなどといったことも起きている。厚生労働省によると、発生した事故の65%程度は大事故になる可能性があったものとして、使用ルールの徹底を呼びかけている。

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