知られざるトラックの荷室の中! 重い荷物を格段にラクにする「ジョルダーレール」とは (2/2ページ)

使用時は細心の注意を払う必要がある

 ジョルダーレールとは、パレットを動かすことができるジョルダー(ジョロダーともいう)という装置を使うための溝。ジョルダーの底面には車輪が装着されているため、レールのなかを自在に転がすことができる。そんなジョルダーに専用のバーを差し込んで先端部分を下方向に倒すと、パレットを浮かせることができるのだ。そんなジョルダーを活用することでパレット輸送に対応でき、手積み手降ろしの場合でも手元までパレットをもってくることができるため、荷物をもって人間が移動するという部分を削減できるのである。ジョルダーを使用しない場合は、レールに蓋をつけることで床を平面にできるため、荷物を破損させずに運ぶことができるのだ。

 そんな便利なジョルダーだが、簡単に扱えるものではない。バーの角度を調整しながらスムースに、かつパレットに積まれた荷物が荷室内の壁に接触しないよう、細心の注意を払わなければならないのだ。重たいパレットを降ろす時にはジョルダーを強く引かなければならないが、きちんとロックされていない状態であればジョルダーからバーが抜けてしまい、そのままドライバーが背中から地面に転落してしまうこともある。

 逆に積み込むときには手のひらで荷物を押すと破損してしまう恐れがあるため、背中全体で荷物を傷めないようにゆっくり押していくなど、さまざまな注意点が存在する。専用の道具があればどうにでもなるというわけではなく、当然のごとくそれを使いこなす技術が重要になるわけだ。

 ともあれ、手作業による荷役作業がドライバーの負担になっていることは間違いない。疲れからくる凄惨なるトラック事故を減らすためにも、労働環境が少しでも改善されてゆくことを願うばかりである。


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