走行中に「電動サイドミラー」を畳んだり開いたり! 乗用車乗りが知らない大型トラックの「サイドミラー」を使ったワザ3つ (2/2ページ)

峠でサイドミラーをたたむことも

 ふたつ目は、右折レーンにいるとき。右折レーンが存在する交差点は、全国に山ほど存在する。そのような道路は大型トラックがたくさん走行しているのだが、右折レーンは車線の幅が狭かったりもする。そのため直進して対向する大型トラックは速度を落とすか、車体を多少左に寄せなければならないといった危険な状況が生じるのだ。それを配慮して、右折レーンにいる大型トラックはサイドミラーを格納するのである。

 大型トラック同士はサイドミラーの高さが同じであるため、接触する危険性が高い。しかし右折レーンの大型トラックがサイドミラーを格納することで直進する大型トラックの通行を妨げることなく、自車の安全も確保できる。そして信号が変わって発車する直前にサイドミラーを起こし、安全確認をしたうえで右折を開始するというのが、マナーのいいプロドライバーの走り方である。

 3つ目は、曲がりくねった峠道を走行するとき。そのような道路には、草や木の枝が覆い茂っていることが多い。それらに接触してしまうとサイドミラーが破損してしまうため、格納して走るのだ。そのような道路では左側の後方から追い抜きをかけてくる自家用車やバイクが存在しないため、助手席側のサイドミラーを格納しても問題はない。むしろ木の枝を避けるという動作が不要になるため、センターラインを割らずに走行しやすくなるのである。

 ここまで挙げたすべての技においては、もちろん自車の車両感覚に優れていなければできない芸当である。いずれも数10cmをめぐる攻防ゆえ、不慣れなビギナードライバーにはお勧めできないが、このような走り方をしている大型トラックは意外にも多い。右側から斜め合流をしてくる大型トラック、右折レーンで待っている大型トラック、草木が覆い茂るような峠道を走る大型トラックを見かけた場合には、ぜひともサイドミラーの状態を確認してほしい。乗用車のドライバーにはわからないような、プロドライバーならではの苦労や配慮に気付くことができるはずだ。


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