研ぎ澄まされたテクニックが必要!
北海道などでは、除雪した雪を海に落とすという仕事も存在する。その場合も同様に、岸壁ギリギリまでダンプをバックさせなければならない。その作業を失敗してしまうとどうなるかは想像にお任せするが、彼らはつねに命の危険と背中合わせで生きているのである。
他方、アサリを運ぶ現場では、冷凍車が海に入るという光景を見ることができる。トラックで積まれてきた荷物は配送センターに降ろされるのが一般的だが、アサリの場合は冷凍車から直に船へと移し変えられるのだ。一度海に撒くことで、鮮度を回復させるのだという。そのため、冷凍車で海に入らなければならないのである。その場所にはスロープが装備されているため、厳密にいえば海に入ることはない。しかし満潮時になると車体が海に浸かってしまうこともあるのだ。もちろん、これも失敗は大きな事故につながりかねない。それに海水によって冷凍車のシャシーが錆びてしまうため、メンテナンスも重要な任務となってしまうのである。
日本でもっとも大きな自動車は、運転席部分と荷台が別個体となっているトレーラー。いわずと知れた巨体であるが、運ぶ荷物によっては狭い場所へと入らなければならない。とくにバックで入庫するときは逆方向にハンドルを回さなければならないため、研ぎ澄まされたテクニックが必要となる。
また、海上コンテナを運ぶトレーラーなどは、基本的に毎回異なるシャシーを牽引することになる。そのため、バックカメラを取り付けることができなければ、車体が折れ曲がった状態では目視でも車体の後部が確認できない。そんな海上コンテナや重機を積んだトレーラーの回送車などがバックで入る現場に遭遇したときは、ぜひともその光景を堪能していただきたいと思う。
プロドライバーならではのハンドルさばき、その名人芸にきっと惚れ惚れしてしまうことだろう。