ニワカが背伸びをしてもファンにはバレバレ! ただ飾ればいいってワケじゃないデコトラの流儀とは (2/2ページ)

方向性が明確なデコトラは魅力的だ

 たとえば、昭和期のあるデコトラを再現したとしよう。そのクルマに平成後期の飾り方を組み合わせてしまうと、説得力はゼロになってしまうのだ。それは、ビンテージもののスニーカーや古着と、現在流行しているキャップを組み合わせてしまうようなもの。昭和生まれの旧車に最近になって生み出された流行の飾りを取り付けたとしても、似合う(評価される)わけがないのだ。

 むしろ最新の飾りを取り付けたいのであれば、わざわざ旧車をベースにする必要はないだろう。ただし、そこになにかしらのこだわりが体現されていれば見る側にも意向が伝わる。つまり、知識やセンスがあれば、そのようなムリ目な部分も違和感を残さずにクリアできる。

 デコトラとは本来、一台一台の個性が尊重されたもの。それゆえに飾り方は自由なわけだが、時代や飾りのスタイルを超えてしまうのはいただけない。結局は自己満足の世界であるため、好きなように飾ればいいのだが、デコトラをより極めたいのであれば歴史や知識を養い、流行に左右されないことが重要だ。

 大きなパーツで派手に飾る場合でも、トータルバランスが取れていればマニアに賞賛される。だが中古パーツで飾られたデコトラは、どうやっても賛辞を浴びることはない。手っ取り早く派手にしたいのであれば、中古パーツで飾ることが望ましい。しかし、それではデコトラマニアには評価されない。

 デコトラを製作する際には、まず何を目指すかを明確にしなければならない。旧車を飾るならば当時のデコトラ界を学び、各地域の飾り方を再現するならその極意を学ぶ。本物志向だと思われたいのであれば、いやデコトラ界を極めたいと思うのであれば、まずはそこから始めることをお勧めする。

 そんなディープなデコトラの世界だが、当然のごとくビギナーもたくさん存在する。ビギナーだからといって塞ぎ込んだり、恥じる必要など微塵もないのだ。ただ無理して背伸びをしてしまうとマニアには即座にバレてしまうため、注意が必要なだけ。

 どんな趣味の世界でもそうだが、知ったかぶりほど見苦しいものはない。それゆえ無理してマニアぶる必要はない。流行に左右されずに知識と経験を重ねてゆくごとに、きっといつのころからかマニアの仲間入りを果たしていることだろう。

 そんなことを頭の片隅に置きながら、所詮は趣味・趣向の世界なのだから、気負いせずに伸び伸びとデコトラライフを満喫してほしい。


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