相棒の「ゑびす丸」を駆るデコトラ界の重鎮に密着! 生涯現役を貫く50年に及ぶデコトラ人生!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■私たちの生活を支えるトラックドライバー

■今回はデコトラ界の重鎮である西川さんの仕事に密着

■紀州紀の川〜摂津河内間の往復230kmの航海だ

デコトラフリークの間で有名な「ゑびす丸」のオーナー!

 好きなことを仕事にして稼ぐ。これは多くの人にとって人生の重要な選択だ。乗りものが好きだからハンドルで稼ぐ。国内の流通を支えるトラックドライバーたちがいるからこそ、日常の生活を過ごせているのだ。今回紹介するのは、プロドライバーからも尊敬の眼差しで一目置かれる大ベテラン。そんなプロドライバーの仕事ぶりを紹介しよう。

 今回の主人公はデコトラ界の重鎮の一人、西川和宏さん。和歌山県の北部・紀の川市に拠点を構える運送会社「グランドキャリー」で平成13年日野プロフィアテラビィを駆る西川さんは、運転手歴50年を迎える大ベテランだ。重鎮と称される理由は、全国にデコトラブームを巻き起こした東映の映画『トラック野郎』のころから現在まで“生涯現役”を貫き通し、令和5年の現在もハンドルを握る数少ない現役ドライバーだからだ。

 同氏といえば第2次デコトラブームの頃に日野KFの大型保冷車をベースにした、天井まで含め箱4面ペイントを入れた”鯨のトラック”が有名。デコトラ専門誌を筆頭に『元気がでるTV』や『トラックレースグランプリ』、そして『地球発19時』へも出演している。さらには日本映画『道』(1986年製作/主演・仲代達矢)のシナリオハンティング協力など、西川さんと相棒の“ゑびす丸”はデコトラフリークなら誰もが知る存在なのだ。

 同行取材した際の運行は、紀州紀の川から摂津河内への往復230kmの航海。往路は和歌山名産のミカンや当地で穫れた白菜やレタス、キャベツ、菜の花などの青果物を運ぶ。復路は鮮魚と積荷の中身はさまざまだ。

「これから紀の川市の倉庫と岩出市の農協で地元産の青果を集荷し、大阪の本場(大阪市中央卸売市場本場)と東大阪市の青果販売会社の倉庫に向かいます。帰り荷は鮮魚。北部市場(大阪府中央卸売市場)で積んで、大阪市の東部市場と和歌山市中央卸売市場で降ろす、という流れになります」と説明してくれた。

「往路の青果はいつも時間に余裕がありますが、復路の鮮魚はシビア。和歌山の市場は午前3時にセリが始まるのでまさに追っかけですよ」と西川さん。紀の川市のグランドキャリーを出発したのは昼過ぎの14時。日付を跨ぐ航海の始まりだ。


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