トラックへの荷物の積み降ろしが劇的にラクになる! 「ウイングボディ」はいまや日本の技術力で冷蔵&冷凍車まで誕生していた (2/2ページ)

冷蔵/冷凍車のウイングボディ仕様も登場

 またその構造上、保温性を高めるのも難しく、当初はウイング車が運べるのは常温の荷物だけだったが、架装メーカーの技術革新によって冷蔵/冷凍車のウイングボディ仕様も登場している。このウイングボディを生産して、利用しているのは日本ぐらいなので、日本の物流システムの高度さとトラック架装メーカーの技術力があるからこそ確立しているものといえる。

 なお、ウイングボディを断熱仕様にしても冷凍機を搭載していない、保温機能を強化した仕様もあるし、近年の気候変動によって、常温の荷物でも夏場では荷室内の温度上昇が著しいため、断熱仕様のボディになっていないウイング車にも冷凍機を取り付けた仕様もあるようだ。

 バース(ホームにシャッターを設けている構造)と呼ばれる物流倉庫の積み下ろしエリアは、たくさんのトラックが同時に積み下ろしできるように、トラックを後ろからまっすぐバースの開口部に駐車して、ボディ後端の扉から荷物を出し入れする。これはウイングボディよりも1台あたりの積み下ろしでは時間がかかっても、何台ものトラックの積み下ろしを同時に行えることから、物流拠点ではバース方式が増えている。

 ウイングボディは真横から積み下ろしできる強みを活かしたいところだが、バースでは多くのトラックの積み下ろしを捌くために後ろからつける必要があるため、そこでは強みを発揮できないのだ。しかし、荷積み荷下ろしのどちらかでウイングボディの強みを発揮できる場合も少なくないので、ウイングボディが活躍するシーンはいまだに多い。さらに、後部扉にパワーゲートを組み合わせて積み下ろしを効率化したボディもあるし、高さギリギリまで荷物を積むために、積み下ろしのときにはウイングとなるルーフとパネルももち上げる機構を備えたボディも登場しているのだ。


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