日本じゃぶっちゃけ売れないけどいいクルマなのよ! 11代目もまた凄いクルマだった「アコード」の歴代を振り返ってみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2024年3月に11代目となる新型アコードが販売された

■アコードは1967年からシビックの兄貴分的な立ち位置で登場した

■USモデルやワゴンやユーロRといった多種多様なモデルが存在した

新型アコードはマジでいい!

 2024年3月に登場したホンダ・アコードの11代目は、ホンダの先進技術を結集し、最新の安全技術や先進装備を満載した、ホンダを代表するハイブリッド専用のセダンである。セダン不遇の時代にあって、しかし月間計画台数200台と控えめなモノグレードの11代目アコードは「このアコードならセダンもいいな」と思わせてくれる、デザイン、走行性能、装備を含む魅力に溢れている1台といっていい。

 そのエクステリアは力強さと先進性あるフロントマスク、伸びやかで流麗なシルエットを備えたクーペライクなサイドビューが特徴的な低全高・低重心パッケージがもち味。おそらく、多くの人が「カッコいい」と思えるスタイリングではないだろうか。ボディサイズは全長4975(先代比+75mm)×全幅1860mm(先代比±0mm)、全高1450mm(先代比±0mm)。ホイールベース2830mm(先代比±0mm)という、とくに全長の余裕を生かした堂々としたプロポーションとなっている。

 コンフォート×インテリジェンス×ニューフォーマルをデザインコンセプトとしたインテリアは、水平基調のインパネがもたらすスッキリとした、そして広々とした空間だ。ボディスタビライジング技術を用いたシートは、柔らかさと滑らかさを高めた加工技術を取り入れたレザーシートが標準。そして、後席の快適性を重視し、リヤベンチレーション(エアコン吹き出し口)はもちろん、後席シートヒーター、リヤドアサンシェード、後席用USBチャージャーなどを備えている。

 メーターはわかりやすさにこだわったという10.2インチのデジタルグラフィックメーターを採用し、センターディスプレイはホンダ車として最大サイズのGoogle対応の12.3インチのタッチパネルホンダコネクトディスプレイが標準装備されている。車内環境を一括操作できるエクスペリエンスセレクションダイヤルの採用も快適性、操作性に大きく貢献するはずである。

 その走りは大柄なボディにして、まさに意のままに操れる懐の深さがあるものだ。パワーユニットはEVモード、ハイブリッドモード、エンジンモードをもつ新モーター搭載のスポーツe:HEVで、2リッター直噴エンジン+新設計2モーター内蔵電気式CVT。エンジン147馬力、18.6kg-m、走行用モーター184馬力、34.2kg-mというスペックで、先代に対するトルクアップも目玉となる。

 タイヤは235/45R18。サスペンションはフロントがストラット、リヤがマルチリンク。ダンパーには高精度のアダプティブダンパーシステムが奢られる。

 走行に関わるアイテムとしては、ドライブモードスイッチ、新たにチャージモードを設けたEVスイッチのほか、ステアリング奥に減速セレクター(いわゆるパドルシフト)を用意。また、ホンダ車ではおなじみのアジャイルハンドリングアシストのロジックに前荷重制御をプラスしたモーションマネジメントシステムが思いどおりのコントロール性を実現することになる。

 先進運転支援機能のホンダセンシング360は、従来機能をアップデートしつつ、車線変更時衝突抑制機能や車線変更支援機能を新機能として追加。ACCのカーブ車速調整機能も、高速走行での安心・余裕につながる支援装備といっていい。

 セダン=退屈なクルマ……という先入観があるとしたら、いますぐに改めたほうがいい。新型アコードは文句なしの乗り心地、巡行中の静かさを高めつつ、走る楽しさも持ち合わせているのだから。とくに山道などでセットしてほしいスポーツモードでは、正確な操縦性、アクセルレスポンスのよさはもちろん、加速力は一気に高まり、ハイブリッドモデルでありながら、スポーティなエンジンサウンドに酔うことすらできるのである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報