未開の地ツアー向け「観光バス」を発見! 65%の登坂もできるチェコの「35人乗りバス」のとんでもない中身 (2/2ページ)

道なき道でも35名の乗員を快適に現地に運ぶ

 オフロード性能を高めるための装備としてはデフロック機構付きの4WDシステムがあり、365/80R20のミシュランXZLというブロックパターンのタイヤをチョイス。ちなみにリヤはダブルタイヤでなくシングル仕様となっています。

 最低地上高400mm、斜度65%の登坂が可能と豪語しており、これまた荒地を走っているシーンを見ると決してウソや誇張ではなさそうです。トルサスの公式サイトでは「道なき道」でも「35名の乗員」を「快適に運んでくれます」とうたっていますが、でこぼこ道をグイグイ走れば乗員はたまったものではない気もします(笑)。

 ですが、さすがバスメーカーだけあって、乗員向けシートはビジネスクラス並み! USB電源や個別のTFTモニター(スマホと連動可能)、そして3点式シートベルトなど、これから炭鉱や油田の突貫工事をする方々にとってはうれしい限りのアメニティかと。

 だいたい、プレトリアンは未開の地へ出向くわけですから、車内はエアコンの性能もバッチリだそうです。室内温度が60℃であっても15分で20℃まで下げられる上、暖房設備と断熱材にもこだわっており、外気温がマイナス10℃であっても室内を20℃以上に保つことが可能。

 プレトリアンは前述のとおり荒地の先へ乗員を運ぶバスタイプに加え、購入者のオーダーに応じて内装をカスタムするプレーンシェル、さらにマインサイトと呼ばれるガチで道なき道、落石や崩落のあるエリアを走破するタイプの3タイプが用意されています。いずれも、6年間、または90万キロの保証(!)がつき、世界各国のMANディーラーでのメンテナンスを受けることが可能。

 価格はベースモデルとなるシェルが223510ユーロ(約3700万円)、35人を乗せるバスは240500ユーロ(約4000万円)と、さほど驚くような金額ではありません。これなら、日本国内でもどこかの山奥で秘境の隠れ温泉ツアーとかなんとか営業するというのもアリかと。

 いずれにしろ、全長8mのオフローダーで悪路を豪快にぶっ飛ばす! というのは男子なら誰もが憧れるのではないでしょうか。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

新着情報