この記事をまとめると
■新車ディーラーは「回送運行許可」というナンバープレートをもっている
■1回の許可で複数の自動車に使用できる特例的な扱いとなっているナンバーだ
■回送以外の目的で利用すると法律違反となる
赤枠のナンバープレートってなに?
車検を受けたり登録したりするなど、目的を限定して特例的に運行できるようにする許可制度の「臨時運行許可制度(仮ナンバー)」では、赤の斜線が入ったナンバープレートが貸与されます。しかし、街なかを走るクルマを見ると、仮ナンバーに似ているものの、斜線が入っていないナンバープレートを取り付けているクルマを見かけることがあります。これは、ディーラーナンバーとも言われる「回送運行許可」です。今回は、仮ナンバーに似ているディーラーナンバーについて解説します。
ディーラーナンバーとも言われる「回送運行許可」とは?
仮ナンバー(臨時運行許可)に似ているものの、赤の斜線が入っていないナンバーは、ディーラーナンバーとも言われる「回送運行許可」です。
このディーラーナンバーは、自動車の販売・製作・陸送・分解整備を業とする者が、その業務を遂行する場合に限り、1回の許可で複数の自動車に使用できる特例的な扱いの許可制度になります。
ディーラーナンバーは、基準を満たした事業者が申請をすることで受けることができる許可です。
回送運行許可を受けることができる業者や目的は次のとおりとなります。
1)製作(架装):自己の製作に係る自動車
2)陸送:他人から委託を受けて回送する自動車
3)販売:自己の販売した自動車、販売しようとする自動車、仕入れた自動車
4)特定整備:車検のために自ら特定整備しようとする自動車、特定整備した自動車
仮ナンバーとの違い
ディーラーナンバーと仮ナンバーには、さまざまな違いがあります。ディーラーナンバーと仮ナンバーの主な違いは次のとおりです。
・管轄(ディーラーナンバーは運輸局、仮ナンバーは市区町村)
・申請できる人や条件
・有効期限(ディーラーナンバーは最長5年、仮ナンバーは最長5日)
・対象となる車両(ディーラーナンバーは何台でも可、仮ナンバーはひとつの許可につき1台)など
上記のように、申請できる人や条件、期間、対象となる車両などが、ディーラーナンバー(回送運行許可)と仮ナンバー(臨時運行許可)で異なります。
使用するときはルールを守ろう
ディーラーナンバー(回送運行許可)は、仮ナンバーより対象となる車両の範囲が広く、許可の期間が長いため、業者が回送する際に便利なナンバーです。ただし、回送以外の目的で利用すると、法律違反となるため、ディーラーナンバーで回送するときは使用の目的や使い方を守らなければなりません。
なお、この記事では、ディーラーナンバーの概要のみの解説となっています。そのため、実際にディーラーナンバーを使うことがあるときは、細かなルールを把握してから使用してください。