ヘタしたら安っすい中古車買えるぞ! 大切にものを使う旧車乗りを全否定する「重課された自動車税」はやっぱりありえん!! (2/2ページ)

毎年の自動車税で中古車が買えるぞ!?

 とはいえ最近のヨーロッパ車はパワーユニットのダウンサイジング化と電動化が進んでいるため、たとえば「メルセデスAMG GT 63 4MATIC+クーペ」などという大仰な車名を持つモデルであっても、じつはエンジン排気量は3982ccでしかなかったりする。この場合の自動車税種別割は6万5500円で、まぁ高いといえば高いが、「どうってことない」ということもできなくはない金額だろう。

 だが、アメリカではいまだ「大きいことはいいことだ」の精神が根付いているため、一部のスポーツモデルやプレミアムSUVは、最高税額となる「6リッター超」のクラスに属することになる。具体的には、シボレー・コルベット(6156cc/V8OHV)と同カマロ(6168cc/V8OHV)、そしてキャデラック・エスカレード(6156cc/V8OHV)あたりの税額が11万円/年だ。

 しかし、自動車税も年額11万円で済むなら「まだマシなほう」といえるのかもしれない。なぜならば、「排気量6リッター超」という条件に「新車登録から13年が経過」という条件も重なると、重課により11万円では済まなくなってしまうからだ。

 例えば通称「63エンジン」こと排気量6208ccのV8DOHCエンジンを搭載したW204型メルセデス・ベンツ C63 AMGの自動車税種別割は、2010年式だと重課が加わって12万7600円。……この税額だけで、中古のボロい軽自動車が1台ぐらい買えるのではないだろうか。

 とはいえ冷静に考えてみれば、もっとも多額な自動車税を納めているのは、たくさんの旧車を同時所有している「エンスー各位」なのかもしれない。

 もちろん登録を抹消したうえでガレージに保管しているエンスー氏も多いのだろうが、「登録を切らずに乗るタイプ」のエンスーだと、1台ごとの税金は大した額ではなかったとしても(なにせ小排気量でライトウェイトな場合が多いでしょうから)、それが3台分、4台分となると、けっこうな合計金額になる。

 たとえば、趣味のクルマとして1970年式のハコスカ(C10型日産スカイライン)と1965年式ヨタハチ(トヨタ・スポーツ800)、1958年式カニ目(オースチン・ヒーレースプライト)の登録を切らないまま所有し、なおかつ普段の足グルマとしてスバル・フォレスターあたりを使っているエンスー氏が1年に支払う自動車税額は、じつに14万9200円だ。

 ……もうちょっとでいいので「お金をさほどかけずとも旧車を楽しむことができる国」になってほしいのだが、まぁあと100年は無理なのだろう。残念だが。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味
絵画制作
好きな有名人
町田 康

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