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いまアジア各国でBEVからハイブリッドへの乗り換えが目立つ状況に! 中国メーカーの海外BEV工場拡大策に立ちこめる暗雲 (2/2ページ)

いまアジア各国でBEVからハイブリッドへの乗り換えが目立つ状況に! 中国メーカーの海外BEV工場拡大策に立ちこめる暗雲

この記事をまとめると

■BYDがタイにBEVの新工場を開所して東南アジアでのBEV普及を狙っている

■BEVから乗り換える人の多くはハイブリッドを選ぶ傾向にある

■ICE車に回帰する層へ向けてBYDでも新型PHEVモデルなどの開発に注力している

BYDの新工場は東南アジアに建造

 7月4日、中国BYDオート(比亜迪汽車)は、同社では東南アジアでは初となるタイ東部ラヨーン県にあるBEV(バッテリー電気自動車)の新工場を開所した。東南アジアではこのタイの新工場のほか、インドネシアにおいて年産15万台規模ともされるBEVの新工場建設計画がインドネシア政府より発表されている。

 さらに視野を広げると、欧州では東欧のハンガリーやトルコでの工場建設計画が進んでおり、さらに南米ブラジルでも工場建設を発表している。また、アメリカやカナダ市場をにらんでいるとされているが、メキシコでの工場建設計画を進めているとも報道されている。

 先日、中国のテレビニュースを見ていると、中国国内のBYDの完成車工場の様子がリポートされていた。聞き違いかもしれないが、内装品装着などの最終工程を除くと、全工程の95%が自動化されているということであった(たしかに工場内に作業員はほとんどいなかった)。

 EU(欧州連合)は、7月5日より中国製BEVに対し17.4〜37.6%の追加関税を課している。アメリカもバイデン政権が中国製BEVの関税を100%に引き上げることを発表している。

 中国としては各地域で現地生産を進めることで、前述したような関税引き上げへの対抗策のほか、現地生産化でさらに買い得感の高い価格設定を実現することなどが目的としてあるようだ。

 自動車需要の「伸びしろ」が高いともされるアフリカ大陸でもBEV普及は進んでいる。報道によると、東南アジアなどのほかの新興地域と同じように大気汚染改善という側面のほか、最近の燃料費の高値安定傾向もあり、二輪車や三輪車においては中国メーカーの進出もあってBEVが目立ってきているようである。

 報道映像を見ると、電動二輪車や電動三輪車が街なかを走る一方で、四輪車は年式が古めな日本から中古車として輸入された日本車ばかりとなっているのだが、これも将来的には、前述したBYDのような中国メーカーの現地への進出度合い(電力インフラ整備の進捗状況もあるが)次第では、見える風景が一変するかもしれない。

 現状、中国では充電インフラの問題などもあり、首都のごく一部のみといった限定的な電動車普及の様子であった。ただ中国企業は、中国政府と密接な関係にあるのは自動車に限ったことではないとともに、その強大なバックボーンを得てのスピード感は我々の想像を絶するレベル。甘く見ることはできないだろう。

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