年度末となる3月の道路工事は減少中
■緊急工事とはどんな工事?
今回のテーマについての疑問に回答をお願いした「首都高速道路会社」と「NEXCO中日本」によると、高速道路の工事には、計画して行われるものと、必要が生じた際に臨時に行われるものとの2種類があるそうです。
先述の集中工事やリニューアル工事などの大きなものから、路面や橋脚の修繕や照明設備などの交換&点検を行う工事など、ほとんどの工事は綿密にスケジュールの調整が行われていて、できるだけ交通の妨げにならないような時期と時間帯を選んで行われています。
大規模な集中工事は、各高速道路で年に1〜2度の頻度で行われているという印象ですが、その時期はとくに決まっているわけではないようです。ちなみに近年の工事の開催日を調べてみると、大規模な工事は5月のゴールデンウイーク明けや、10〜11月の行楽シーズン明けに行われているケースが多いようです。
これについては工事を行う気候が大いに関わっています。降雨や降雪、そして気温が極端に低かったり高かったりすると工事の効率が著しく落ちるということを避けた結果のようです。
あと、昔から定説となっている年度末を迎える前の3月に駆け込みで道路工事(一般道含む)が多くなるという話がいまも語られているのを耳にしますが、実際は年度末の工事はかなり減っているとのことです。
交通への影響をなるべく軽減するために年間でまんべんなく分配する努力をしている結果とのことですが、統計を取ってみると、昨今では11月がもっとも工事の件数が多いそうです。
ともあれ、計画して行われるそれらの工事は、その規模などに応じてテレビやラジオなどの媒体やサービスエリアや料金所などのドライバーの目に触れるところでの掲示、そして各道路管理会社のホームページで実施期間などを告知しているので、事前にその実施を知って対策を立てることができます。
以下、その一例です。
・工事規制予定MAP
https://construction.c-nexco.co.jp/
・リニューアル工事など特に影響の大きい工事規制
https://construction.c-nexco.co.jp/const_info/
・工事についての参考ページ
https://highwaypost.c-nexco.co.jp/faq/traffic/rule/346.html
そしてその計画して行われる工事ではない、臨時に行われる工事が「緊急工事」となります。その多くは事故などで路面や周囲の設備にダメージがあった場合に、原状復帰のために行われるケースです。
事故が起こるとガードレールが破損したり、照明のポールがダメージを受けたり、また火災が起こった場合は路面や周囲の設備が熱でダメージを受けることもあるので、その補修をする必要が生じます。
たとえ軽い事故だったとしても、念のための点検作業や、飛び散った部品やオイルなどの汚れを清掃する作業が発生するので、わずかな時間でもその区間を規制する必要が生じます。
また、事故以外でも、不意の路面の陥没やポットホールと呼ばれる穴ができた場合など、迅速な補修工事が必要となるケースが生じることもあるとのことです。
高速道路は多くの利用者がある場なので、その交通への影響をなるべく少なく抑えるために迅速な手配と対応作業が求められますから、事前の実施の告知はなかなか難しい面があるでしょう。実際はラジオの交通ニュースでその実施を知るという人が多いのではないでしょうか。
この緊急工事は不意の原因によるものがほとんどなので、時期を予測するのはほぼ不可能です。場合によってはもっとも混雑する週末のラッシュ時に重なることもあるでしょう。その場合はかなりの車両に遅延の影響を及ぼすことになってしまいますが、迅速な原状復帰を最優先と考えた場合はやむを得ない状況だといえます。
少しでも早く通常の状態に復帰してくれることを祈ってその場は冷静に対応してやり過ごすのが、結果的にもっとも効率的で精神衛生上の面でも良いのではないかと考えますが、いかがでしょうか。