この記事をまとめると
■国産スポーツカーではハイブリッドモデルがほとんどない
■国産スポーツカーのハイブリッドは重量増やMTの設定ができないなどの理由で設定されず
■いずれにしても環境規制によりハードルがさらに上がっていく
電動化に逆行する国産スポーツカー
世のなか、クルマの電動化時代といわれて久しい。とくに日本では、2010年代以降に「ハイブリッド車が当たり前」のような雰囲気になってきた。むろん、「プリウス」のようなハイブリッド専用車が主流なのではなく、グレードによってガソリン車やディーゼル車に加えてハイブリッド車の設定もあるというモデルが少なくない。
以前は、ハイブリッド車はガソリン車に比べてかなり割高だったが、近年はモーターや電池の量産効果によって同モデルでのハイブリッド車とガソリン車の価格差が縮まるケースも出始めている。
そうしたなか、スポーツカーについてはそのほとんどでハイブリッド車の設定がない。
現在、トヨタ「GR86」「GRヤリス」「GRスープラ」、スバル「BRZ」、日産「フェアレディZ」、マツダ「ロードスター」、ホンダ「シビックタイプR」、そしてスズキ「スイフトスポーツ」のハイブリッド車はない。
その理由はいくつかある。
まずは、ハイブリッド車にすることでの重量増だ。スポーツカーとは、運動特性に優れたモデルであり、そのための絶対条件としてクルマ全体の軽量化がある。ボディの素材変更や内装品の簡素化など、各部品での軽量化を積み上げていき、さらに重量バランスを最適化する設計を行う。
そこに対して電動化によるモーター、インバーター、電池などにより数kgから数十kgの重量増となるのは、スポーツカーとしての運動特性を抜本的に見直すことにつながる。