中古車販売がいまアツい!
アメリカでも新車販売ビジネスの置かれている状況が厳しくなってきて久しい。そんなアメリカでは、すでに新車ディーラーの多くが中古車販売に力を入れている。アメリカでの新車販売は在庫販売が大原則となるので、道路から奥まったところにあるショールームや整備工場までの間に、クルマを置けるスペースが広く用意されることが多く、ディーラー敷地内にはそのような場所には多くの中古車が展示されている。
アメリカンブランドのディーラーでも、入口の目立つところに人気のある日本車の中古車を置いたりしているので、パっと見るとどこのディーラーかわからないほど。アメリカでは新車購入に際し、それまで乗っていたクルマを個人間売買で処分することがあるので、展示される中古車はディーラーそれぞれがオークションで落札してくるケースが多いとも聞いている。
日本ではまだ外部オークションで積極的に落札してくるというところまではいってないようで、自銘柄(自分が扱うメーカー車)中古車が大半となっている。実際に訪れるお客の多くも、メーカー系ディーラーでは、同メーカーの中古車を探しにやってくるケースが多い。
また、国内ではまだまだ下取りが多いので、自社で下取りをしたなかで走行距離が少なめで程度のいいものは、オークション出品などせずに自社で売って利益を増やしたいと考えていることがほとんど。
アメリカでは、販売予定の在庫車を直接試乗させるのだが、日本では「受注販売」が原則ということもあり、各ディーラーでは試乗車が用意され、それが役目を終えると中古車として展示されることもある。ディーラーによって異なるのだが、試乗車はおおむね半年ほど使用して、走行距離の上限を決めるなど厳しく管理されているとも聞いたことがある。
ディーラーによっては試乗車のほかに、点検・整備などのときの「代車」として別に用意しているとも聞いている。
ちなみに残価設定ローンを組むと、残価保証の条件として月間走行距離が決められるのが一般的。しかも、残価設定ローンを組むことで、それぞれの時期によって、どんなクルマがどの程度下取り車として入庫予定となるのかというものも把握しやすくなっているし、セールスマンもそれをベースにして、乗り換え促進などの営業活動を展開しているメリットがあるという。
さらに、メンテナンスパック(一定期間の点検・整備代などを前払いすることでお得になるもの)を付帯してもらえれば、管理が行き届き日々の車両状態も把握しやすくなる。ディーラーが新車のほか、中古車販売にも力を入れるのには、収益体質改善もあるが、自社扱い車の再販価値の維持という側面も大きいものと考えている。
新車購入のための商談中に、購入予算でなかなか折り合いがつかないと「中古車でいいのありますよ」とふってくることがある。このようなときはたいがい試乗車として使われていた車両となる。ほかには、一時控えられていたのだが、未登録の展示車両の販売も、最近では目立って行われるようになってきている。
新車ディーラーは新車だけを販売しているのではなく、柔軟な選択肢を用意しているので、買う側も柔軟な思考で損得を判断したほうが、よりお買い得な買い物ができることになるだろう。