イギリスに数多あるバックヤードビルダーのなかでも一歩抜きんでた「ノーブル」! 最近話を聞かないと思ったら元気に活動していた (2/2ページ)

最新モデルは2018年に発表されたM500

 リー・ノーブルは、優秀なエンジニアであると同時に、ノーブルの経営をコントロールするオーナーでもあった。だが、ノーブルは2006年に売却され、リー・ノーブルは新たに2009年、フェニックス・オートモーティブ社を設立することになる。

 ノーブル社と同様にスポーツカーの生産を目的に誕生したこの新会社では、当時のシボレー・コルベットZR1から移植されたパワーユニットを用いたプロトタイプが1台製作されたのみで、実質的には自動車メーカーとしての活動は行われなかったが、リー・ノーブルはそれでもスポーツカーへの情熱を捨てなかったのだ。

 一方、新たな経営体制となったノーブル社では、M400に続いて、3リッターのV型6気筒ツインターボエンジンを461馬力で縦置きミッドシップした「M15」を2006年に発表。

 これまでのノーブル車と比較して、より快適性や使い勝手が増したM15は、さらに2010年にはボルボ製の4.4リッターV型8気筒をベースとしたツインターボエンジンを659馬力の最高出力で搭載した「M600」に進化を遂げるが、こちらは0-97km/h加速で3.5秒、0-160km/h加速でもさらに4秒しか必要としないスーパースポーツだ。

 また、2016年にはそのオープン仕様であるロードスターも登場し、少なくとも30台が生産されたという記録が残る。

 2018年、ノーブルはニューモデルの「M500」を発表し、そのセールスを2022年までには開始すると宣言。3.5リッターのフォード製V型6気筒ツインターボエンジンを搭載するこのモデルは、ノーブルではジュニアスーパーカーと呼ばれるが、そのスパルタンで軽量性を生かした走りには、早くも多くのファンが魅了されている。

 ノーブルのスポーツカー作りには、まだまだ終わりなど見えないのだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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