この記事をまとめると
■ブガッティから新ハイパーカーであるトゥールビヨンが発表された
■トゥールビヨンは250台の限定生産で価格は380万ユーロ(約6億5000万円)
■チタン、サファイア、ルビーなどを使用して600以上の部品から構成されるメーターパネルは見もの
また新たにとんでもないハイパーカーが誕生した
ブガッティから、新たなハイパーカーが誕生することになった。正確にはその発表は、フランスのモルスハイムにあるブガッティと、クロアチアのザグレブに本社を置くEVメーカーのリマックとの合弁会社、ブガッティ・リマック社から行われ、実際の生産はブガッティの工場において行われると見られているが、すでに発表された内容を見るかぎり、その存在は世界のハイパーカー群のなかでも、やはり卓越したものと評するべきだろう。
そのブガッティの新型ハイパーカーにはTourbillon(トゥールビヨン)のネーミングが掲げられる。トゥールビヨンとはフランス語で「渦」を意味すると同時に、機械式時計における姿勢差による誤差をキャンセルするために考案されたメカニズム。
2019年ブガッティ自身も、このトゥールビヨンを搭載した革新的な機械式時計、「シロン・トゥールビヨン」をジェイコブ&コーとのコラボレーションで誕生させているが、今度はその名前がハイパーカーのそれとして復活することになる。それはもちろん、シロン・トゥールビヨンがそうであったように、不可能にインスパイアされた究極の一台ということができるはずだ。
VWグループへと再編され、歴史的には第3期を迎えたブガッティは、1990年代後半からさまざまなモデルを発表し、我々の興味と期待を高めてくれた。ヴェイロン、シロン、ボライド、W16ミストラルと続いたプロダクションモデルはいずれも限定生産車で、そして各々のモデルはカスタマーがリクエストしたパーソナリゼーションで彩られてきた。
トゥールビヨンももちろん生産台数は限定されており、その数字は250台。価格は380万ユーロ(約6億5000万円)からとなるが、カスタマーへの納車は現在最終段階にあるプロトタイプの走行テストを経て、2026年には開始される見込みとされる。もちろん実際にデリバリーがスタートした段階では、250台分の枠にはそのすべてにカスタマーの名前が決まっている可能性も高い。
トゥールビヨンは、もちろんこれまでのシロンをさらに進化させたハイパーカーだ。そのエクステリア・デザインは、これまでのブガッティ車と同様にきわめて美しく、そしてそれを見る角度によってはエキゾチックで、また戦闘的な雰囲気さえ感じさせる。400km/h以上の最高速をスペックシートに掲げることになるトゥールビヨンのボディは、空力学的にも、そして熱力学的にも究極を同時に実現させなければならないことが大きな条件。
さらに、ブガッティ車の伝統的なディテール、たとえば馬蹄形のフロントグリルやサイドのブガッティ・ライン、センター・リッジ、デュアルカラー・スプリットといった要素をまた効果的に導入していくことも忘れてはならない要件だった。