この記事をまとめると
■海上コンテナやトレーラーなどを引っ張ることをけん引という
■けん引車を運転するためにはけん引する自動車の種類に応じた免許のほかにもけん引免許が必要
■けん引車で車両等を牽引している場合、高速道路の利用料金が異なる場合がある
大型免許だけではコンテナトラックは運転できない
物流を支えるトラックやけん引車は、生活になくてはならない存在です。また、さまざまな物資を輸入している日本では、けん引車の存在なしでは生活できないといっても過言ではないでしょう。そこで今回は、けん引とは何なのか改めて解説します。
「けん引」とは?
そもそも「けん引(牽引)」とは、引っ張ることを意味しており、その言葉の意味どおり、自走しないクルマを引っ張る際に必要となる車両や運転免許のことです。
けん引車と聞くと身近な存在に感じないかもしれませんが、モノを輸出入する際に使われる海上コンテナなどを運搬する車両の多くがけん引車です。そのため、日常生活に欠かせない車両および免許といえるでしょう。
けん引車を運転するためには原則として運転免許が必要
自走しないクルマを引っ張る際に必要となるけん引車を運転するためには原則として運転免許が必要です。
大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車のいずれかでほかのクルマをけん引するときは、けん引する自動車の種類に応じた免許のほか、けん引免許が必要となります。
ただし、クルマの総重量(人や荷物をのせた状態でのクルマ全体の重さ)が750kg以下のクルマをけん引するときや故障車をロープ・クレーンなどでけん引するときは、けん引免許はいりません。
このように、けん引免許については、原則と例外があります。そのため、どのような車両を引っ張るときにけん引免許が必要で、例外となる事例がどのようなケースか正しく理解しておく必要があります。
けん引車は高速道路の料金も異なる
けん引車で車両等を牽引している場合、高速道路の利用料金が異なる場合があります。
けん引車と被けん引車(けん引される車両)が連結されている場合、ETC車載器の車両情報と被けん引車両の軸数をもとに料金が判定されます。ただし、一部例外があるため、詳しい料金については利用する高速道路にて確認してください。
また、クルマが故障したために自走できなくなってしまい、レッカーや積載車などで移動してもらった場合の料金は、次のとおりとなります。
・故障等車両:故障等車両が流入したIC~積載する地点から進行方向の次のICの料金
・積載車:積載車が流入したIC~積載車が流出したICの料金
つまり、故障車と積載車の両方の料金がかかるということです。
生活を支えるけん引車
けん引車は、物流や輸出入する物を運ぶ際に必要となる車両です。いい換えると、生活を支えているクルマということになります。そのため、けん引は無関係と思う人もいるかもしれませんが、けん引車を運転できるドライバーがいるからこそ、いまの生活が成り立っているといっても過言ではないのです。もし、物流や生活を支える仕事をしたいと考えているのであれば、けん引免許を取得しておくといいかもしれません。