万が一に備えて子どもにも「助かり方」を教えるべし
3つめは子どもが自らクラクションを鳴らして周囲に知らせる方法ですが、実際に幼い子どもが指でクラクションを鳴らそうとしても、力が足りなくてうまく鳴らせないこともあります。そこで警視庁警備部災害対策課がX(旧:Twitter)で紹介しているのが、力の弱い子どもでもクラクションが簡単に鳴らせた方法です。
まず、幼稚園や小学校では水筒を持参することが多いので、車内に水筒がある場合はハンドルのラッパのマークのところに水筒の底を押し当てて鳴らす方法。そしてもうひとつ、ハンドルにお尻で座るような姿勢をとり、両手でハンドルを持ってお尻で鳴らす方法です。これなら小さな子どもも覚えやすいのではないでしょうか。もし水筒がない場合には、車内に常備しているものや、身につけているもの、必ず持ち歩くものなどで、クラクションが鳴らせるかどうか試してみるといいと思います。
4つめは、これはどちらかというと夜間の方が有効ですが、昼間でも前方にいる人は気がついてくれる可能性が高い、パッシングをする方法。ライトのレバーを前後に素早く動かす動作は、子どもには練習が必要ですが、我が家では3歳の子どもでもパッシングすることができました。
5つめは、人通りの多いところでとくに有効ですが、クルマの横を人が通ったら、思いっきりドアを蹴るという方法。ドアを蹴る「ドン」という音は遠くにいると目立ちませんが、すぐ脇を通る人は「なんだろう?」と思ってくれる可能性が高いです。窓を覗き込んだら、すかさず「助けて!」と大声で呼びましょう。
さて、大人の私たちもいつどこで、こうした子どもたちからのSOSを受け取ることになるかわかりません。もし車内に子どもが置き去りにされていることに気づいたら、警察や消防、近くの警備員などに連絡することが確実ですが、すぐにレスキューが来てくれる状況ではない場合もあると思います。そんなときは躊躇せず、窓ガラスを割ってロックを解除し、ドアを開けて子どもを助け出しましょう。
窓を割る際には、自分の車両にそうしたガラスハンマーなどの道具があれば使えますが、もし何もない場合には、大きな石やレンガなど硬く重さのあるもので、窓ガラスの真ん中ではなく、フロントの左右なら、ちょうどサイドミラーのすぐ横に当たる位置(右ハンドルの運転席の窓ガラスの場合は、右端のあたり)に衝撃を与えると、比較的少ない力で、一気に割れやすくなっています。子どもに割れたガラスが当たらないよう、注意しながら行いましょう。
※写真はイメージ
子どもと大人、双方が知識と行動力を持つことで、きっと命は救えます。子どもの車内置き去りによる痛ましい事故撲滅に向けて、社会全体で力を合わせていきたいですね。