この記事をまとめると
■ホンダが燃料電池車の「CR-V e:FCEV」を7月19日よりリース販売する
■CR-V e:FCEVは日本の自動車メーカーとして初となるプラグイン機能を装備したFCEVとなる
■CR-V e:FCEVのリリースは、2050年までにカーボンニュートラル実現を目指すホンダの新たな一歩となっている
ホンダSUVの長兄がFCEVとなってカムバック
WR-V、ヴェゼル、ZR-Vと3台のSUVをラインアップするホンダ。これまではZR-Vが日本におけるホンダSUVのフラッグシップを担っていたわけだが、やはり日本のホンダSUVの長兄といえば、それはCR-Vがふさわしい。
CR-Vといえば、フルモデルチェンジを機に日本のラインアップから消えるというまさかの展開を見せていたのだが、この度、ついにCR-Vが新型となって帰ってきた。しかも、FCEVとして。ホンダは、新型燃料電池自動車「CR-V e:FCEV」を2024年7月19日に発売する。
※画像はプロトタイプ
CR-V e:FCEVは、すでに北米や中国などで販売されている6代めCR-Vをベースとし、国産車メーカーが発売するモデルとしては初めて外部充電が可能なプラグインハイブリッド機能を装備した燃料電池車。FCEVの持つ長い航続距離と水素充填時間の短さといったメリットはそのままに、ここに充電可能なプラグイン機能を加えることで、さらに利便性を高めたモデルとなっている。一充填走行距離は621km、一充電走行可能距離は約61kmだ。
また、CR-V e:FCEVでは、燃料電池スタックを従来のものから刷新しており、補機類の合理化や低消費電力化を徹底。新構造のセルユニットの採用や生産性の向上などにより、クラリティ・フューエルセルに搭載されていたシステムに対し、約1/3までコストを削減した。さらに、耐食材料の適用や劣化抑止制御によって耐久性を2倍に向上させているのも特長だ。
SUVとしてのパッケージングも抜かりなし。FCシステムとプラグイン機能というふたつの主要メカニズムを搭載するスペースの効率化を徹底。FCシステムとモーターやギアボックス、PCU(パワーコントロールユニット)を一体化した駆動ユニットをフロントフード下に集約することで、乗員の居住スペースへの影響を最小限にとどめている。
走りの面では、モーター駆動によるFCEVならではのスムーズでトルクフルな走りが特徴で、重量物である水素タンク2本と大容量バッテリーを含むIPU(インテリジェントパワーユニット)を可能な限り低く、車両中心近くに搭載する低重心レイアウトにより、重厚で上質な海苔味とリニアなハンドリングを実現している。
また、充給電機能を備えたCR-V e:FCEVは、6.4kW普通充電に対応し,約2.5時間で満充電となり、さらにAC200V電源に加えてAC100V電源での充電にも対応している。さらに、標準装備となっているAC車外給電用コネクター「Hondaパワーサプライコネクター」を使えば、電力を取り出すことも可能となっており、アウトドアなどのレジャーや停電時の電源として活用できる。
※画像はプロトタイプ
そのほかにも、「AUTO」「EV」「SAVE」「CHARGE」の各モードを用意するエネルギーマネジメントや、カーライフをより安心·快適にするHonda独自のコネクテッドサービス「Honda Total Care プレミアム」の利用、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」の装備など、FCEVの特徴を活かすさまざまな機能が用意されている。
ホンダCR-V e:FCEVはリース専用となっており、その価格は809万4900円。
CR-V e:FCEVのリリースは、2050年までのカーボンニュートラル実現を目指しているホンダにとって、目標達成のための重要な要素のひとつ。カーボンニュートラル実現に向け、ホンダがまた大きな一歩を踏み出した。