運行管理者は「車庫内恋愛」にも目を配る時代! ヤンチャな男子校からクリーンな共学化的雰囲気へと変わりゆくタクシー業界 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■タクシー業界は運行管理者がそれぞれに割り振られたドライバーの面倒を見ている

■タクシー運行管理者は女性運転士の増加で「職場恋愛」まで気にする必要性が出てきた

■路線バス業界で女性運転士が少ないのは男女別の更衣室やトイレなどの設備整備の遅れが大きい

大きくさま変わりしたタクシー業界の労働状況

 社会とともに多様化を見せているのがタクシー業界。かつては運転士といえば「オジサン」ばかりであったが、最近は四年制大学を卒業してそのまま運転士になる人もいれば、外国人、そしてとりわけ女性運転士の姿を都内だけではなく、東京隣接県となる筆者の生活圏であっても多く見かけるようになった。

 少々失礼かもしれないが、ひと昔前のタクシー運転士の世界といえば、「ヤンチャな男子の多い高校」のような印象であった(ひと昔前であっても女性運転士がまったくいないわけではなかったので)。労働集約型産業の典型といっていいのがタクシー業界。多くの地域では公共交通機関として1年365日、1日24時間稼働させているのが一般的。そこで仮に某車庫で100台のタクシーを保有していれば、そのタクシーを前述したとおりに年中無休で稼働させるためには、まず単純計算しても台当たり2名の乗務員が必要となり、単純に200名の運転士が必要となる。

 ただこの2名に隔日で交代乗務してもらっても、公休日もあったりするので、隙間なく稼働させるためには嘱託(定時制)乗務員なども必要となるので、さらに増えることになる。これぐらいの規模になると、「営業1課~3課」というように運転士を分け、それぞれの課長として運行管理者を置き、売り上げや稼働率などを管理させ、競わせることもあるようだ。

「ヤンチャな男子の多い高校」とたとえたが、隔日勤務を終え車庫に戻ってくる早朝になると、稼ぎのよかった運転士がその嬉しさから、どうやって稼いだのかをひけらかし、ときにはそれを聞いた稼ぎのよくなかった運転士と殴り合いのケンカになるということもあったようだ。いまどきはだいぶヤンチャな運転士は減ってきているようだが、20時間ほど連続乗務して精神的にはかなりハイになっているので、理由はさまざまとなるが、ちょっとしたことでトラブルに発展しやすいとも聞いている。

 課長となる運行管理者を仮にクラス担任として、その担任が受け持つ生徒(運転士)をあらゆる面で指導及び管理したりするのがタクシー業界の姿のひとつといっていいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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