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短距離とか狭い道ならアリじゃない? EVサクラ以外の「軽自動車タクシー」が存在しないワケ

短距離とか狭い道ならアリじゃない? EVサクラ以外の「軽自動車タクシー」が存在しないワケ

この記事をまとめると

■軽自動車のタクシーは保安基準に適合しないため基本的には存在しない

■軽EVのサクラであれば保安基準に適合するので一部でタクシーとして運用されている

■使い勝手の観点から軽EVのタクシーが普及する可能性は低いといわれている

軽自動車のタクシーが存在しないわけ

 街なかで見かけるタクシーを観察すると、日本の道路事情に合う軽自動車のタクシーをほとんど見かけません。なぜ、軽自動車のタクシーが存在しないのでしょうか。今回は、タクシーに軽自動車が存在しない理由や軽EVタクシーが普及しない理由を深堀りします。

軽自動車のタクシーを見かけない理由とは?

 エンジンを搭載する軽自動車のタクシーが存在しない理由は、タクシー用として設けられている保安基準に適合していないためです。そのため、エンジンを搭載する軽自動車は、タクシー車両として使用することができません。

 ただし、軽EVであれば保安基準に適合しているため、タクシー車両として利用することができます。このような法律の都合により軽自動車のタクシーが存在しないのです。

基準に適合しているが軽EVタクシーを見かけることは少ない

 軽EVタクシーは、保安基準に適合しているため、もっと街なかで見かけても不思議ではありません。しかし、実際に軽EVタクシーを導入しているタクシー会社の事例を見ても、導入台数は数台です。

 では、なぜ保安基準に適合しているのに軽EVタクシーを見かけることがないのでしょうか。

 あくまでも筆者の推測となりますが、軽EVはエンジン車よりも航続距離が短く、エンジン車より充電に時間がかかるなど、さまざまな理由があるために普及していないと考えられます。

 タクシーを利用する方の目的地はそれぞれ異なり、目的地までの距離もバラバラです。そのため、1回の充電や給油あたりの航続距離が短いと、乗客を目的地まで送り届けることができないという事態が発生する可能性が高くなります。

 航続距離を比較すると、軽EVサクラの1充電あたりの航続距離が180km(WLTCモード)であるのに対し、JPN TAXI(LPGハイブリッド車)の航続距離は1給油あたり670km以上(燃料タンク容量52リットル×75〜80%=約40リットル、WLTCモード燃費16.8km/Lにて算出)です。

 また、給油や充電の時間は、エンジン車が数分で満タンになりますが、EVはある程度充電するために最低でも30分程度の時間を要します。

 このようなことから、さまざまな乗客に対応するためには、エンジン車のほうが適していると考えるのが普通です。そのため、軽EVタクシーは保安基準に適合しているものの、見かけることが少ないと考えられます。

軽EVタクシーは普及するのか?

 軽EVタクシーは、航続距離や充電時間など、さまざまな理由により、エンジンを搭載するタクシーほど普及することはないでしょう。

 ただ、短距離(たとえば駅から乗客の自宅まで)の運行や道幅が狭い場所へ送り届ける場合には、普通車サイズのタクシーよりも軽EVタクシーの方が活躍する可能性が高いです。

 そのため、タクシー利用者の需要に合わせた車両配置が必要となる軽EVタクシーは、あると便利ですが、エンジン車のタクシーほど普及することは、いまのところないでしょう。

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