ガソリン代高騰のあおりでカローラクラスが激減! 変わりゆくアメリカのレンタカー事情 (2/2ページ)

レンタカーでも燃費のいいカローラサイズは品薄

 筆者は砂漠地帯を中心に滞在中トータルで4000kmほど走ることが多く、燃費性能はそこそこ意識しながらも、長距離走行のことを考えて快適性を重視してカムリクラスをメインに乗っている(最近は結果としてガソリン代で悲鳴をあげることにもなっているが……)。ガソリンエンジンにおける燃費性能は、絶対的に日本車が優れている。そう考えると、カムリや日産アルティマを選びたいところだが、アメリカ車を運転したいという気もちもあるので、アメリカ車を選ぶ事が多い。

 しかし、いまどきはカムリサイズのアメリカンブランドのセダンはシボレー・マリブのみとなってしまった。そのマリブも1.5リッター4気筒ターボを搭載しており、以前よりは燃費性能も向上しているので(それでも同クラス日本車には及ばない)、その点では砂漠地帯でも安心して乗ることができる。

 さらに驚いたのは、カムリサイズセダンの料金の安さである。例としてカムリサイズセダンクラスの1日(24時間)の料金が79.32ドル(約1.3万円)のとき、同サイズSUVは109.97ドル(約1.8万円)、カローラクロスサイズのSUVで91.92ドル(約1.5万円)、日産キックスサイズで83.29ドル(約1.35万円)となっていた。ちなみにテスラ・モデル3サイズのBEVの料金は134.78ドル(約2.2万円)となっている。

 また、傾向としては、仮にセダンやコンパクトハッチバックで予約しても、日本以上にSUVの人気の高いアメリカでは指定したクラスの車両がないことも多い。プレミアムブランドやミニバンなど、特殊なクラスは別として、大まかなサイズわけは行われているが、ボディタイプについてはかなり柔軟に貸し出しているようであった。デトロイトでは市内移動だけなので、コンパクトハッチバックをセレクトしていたのだが、貸してくれた車両はキックスであった。

 日本ではけっこう貸し出しは厳格なようにも見えるが(車種選択すると料金が高くなったりもする)、2020年に札幌を訪れたときには、トヨタ・ヤリスクラスをエントリーしていたのだが、スバル・インプレッサG4(セダン)が当たって驚いてしまい、スタッフに「ホントにこれでいいの?」と聞いた経験もあるが、これはまれな例といえるかもしれない(まわりにヤリスや同クラスハッチバック車が多いのに)。

 ただ、アメリカのほうが、カウンターで受け付けをしても、スタッフがかなり柔軟に車両を割り当てており(以前はゴールドより上級となるプレミアムメンバークラス用駐車スペースのカムリ[走行距離が少なめなど程度がいい]を配車してもらったこともある)、柔軟性のレベルとしてははるかに高いように見えた。

 少し本筋は異なるが、返却した際に空港へのシャトルバス乗り場まで距離があるところにクルマを停めることがあった。手荷物が多い様子を見かねたのか「大変そうだから俺が送って行ってやるよ」と、そばにいたスタッフが近くにあった返却されたばかりの大型SUVで空港まで特別に送ってくれた。これもある意味柔軟性の現れとも考えている。去り際に名前を伝えられ「俺に親切にされたと会社にメールしておいてくれ」といわれた。顧客満足度向上に貢献したとしてポイントが高まるようであった。

 コロナ禍での極端なレンタカーの稼働減による大幅な減車や、その後の半導体不足などによる生産遅延問題なども収束傾向に向かうと、いまはセダン系もよく見かけ、コロナ禍前に近いバラエティに富んだ車種ラインアップになってきているようにも見えるが、相変わらずカローラサイズは品薄な状況が続いているように見える。

 2024年9月の旅行では、14日間を7日ずつにわけて2台借りることにしており、いまからどんなクルマに乗ろうか思いをめぐらせている。排気量がだいぶダウンサイズされてきているのは個人的には残念にも思うが、カムリサイズぐらいの大きさのほうがアメリカでは使い勝手がいいと感じており、そろそろアメリカンブランドのSUVにしようかなとも考えている。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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