もう巨大ショールームのような「モーターショー」は不要! 100年の歴史をもつ「ジュネーブショー」消滅に見る今の時代に求められるものとは (2/2ページ)

いまは変化を恐れずにチャレンジしていくことが重要

 そうしたなか、2010年代初頭のCES開催時、筆者は当時のパリモーターショー主催企業の経営者と意見交換をした。

 その際に彼は、「現在のようなモーターショーはあと10年、いや5年ももたない」という見解を示した。大きな自動車ディーラーショールームのような発想のモーターショーの必要性が一気になくなってきたという実感があるというのだ。

 実際、それからほどなくしてフランス・パリサロンやドイツ・フランクフルトショーでは自動車メーカーの不参加が増加し、観客動員数も減少していった。フランクフルトショーは場所をミュンヘンに移し、展示内容も大きく変更している。

 さらに強烈なインパクトがあったのが、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)である。コロナ禍では、オンラインやSNSでの新車発表や将来事業の公開が当たり前となった。

 モーターショーでは、2020年のジュネーブショー開催直前のドタキャンと、史上初のオンライン開催オンリーという形式となった。こうした時代の流れのなかで、1905年からという歴史を誇るジュネーブショーが事実上、消滅する。

 一方、日本では東京モーターショー改め、ジャパンモビリティショーとなり100万人を超える集客があった。

 ただし、時代の変化は今後もさらに加速することが予想され、ジャパンモビリティショーを持続させるためには、主催者や展示企業が変化を恐れずに新しい物事に常にチャレンジしていくことが必須だと感じる。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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