R34型GT-Rのプレミア化はもはや笑えないレベル
そのほかではFD3Sこと3代目マツダ RX-7も、「昔はけっこう安かったのに、いまとなってはかなり高くなってしまったクルマ」のひとつだろう。
2000年頃のマツダRX-7 RSの新車価格は354.8万円だったが、直近の中古車平均価格は約505万円。貨幣価値の変動を考慮しないで単純計算すれば約1.4倍である。そしてこれも平均価格こそ約505万円だが、実際には600万円あるいは1000万円を超えるFD3Sもゴロゴロしている。そのため、体感的には「新車時の1.5倍ぐらいから3倍ぐらい」ということになるだろうか。
そしてFD3Sも一時は中古車相場が安く、10年ちょっと前はボロめの個体であれば50万~100万円ぐらいで購入することもできた。しかしいまやFD3Sの中古車は、「一番安い部類」でも300万円を超えている。正しい体感としては「昔の3倍から6倍ぐらい」ということになるのではないかと思う。
とはいえこの程度の(?)高騰であれば、筆者がGMTマスターIに関してそうだったような「気絶」まではいかないはずだ。「あのとき手放さなければいまごろは……」という後悔はあっても、気絶には至らないのではないかと推測する。
しかし、R34型日産スカイラインGT-Rを早々に手放してしまった人はいま、激しい後悔とショックにより気絶してしまってもおかしくない状況にある。
2000年10月時点のR34型スカイラインGT-Rベースグレードの新車価格は、504.8万円。現在の貨幣価値にすると、テキトーな試算だが「600万円ぐらい」という感じだろうか。高いが、そのクルマを本気で欲しいと思うのであれば、決して手が出せない金額ではない。
そして頑張ってR34GT-Rの新車を買った人の多くは、その中古車価格がせいぜい300万円台だった2000年代に、それを「もうそろそろ次のスポーツカーに乗ろうかな?」とかなんとかいいながら手放したはずだが(当時の買い取りや下取りの価格は200万円ちょいとか、そのぐらいだっただろうか?)、直近の平均価格はじつに2315万円。……田舎なら戸建て住宅も建てられるかもしれない金額である。
個別に見てみると、失礼ながらけっこうボロそうな個体でも売価は1800万円前後であり、コンディションが比較的良好な個体の売価は軽く2500万円を超えている。2024年7月上旬現在、最高値は約7700万円だ。
もしも「あのとき買ったR34GT-R」をコンディション良好なまま手放さずに保持していれば、いまごろ貴殿はちょっとした資産家になっていたかもしれないのだが……まぁ仕方がない。済んだことをいまさら騒いでも仕方がないし、意味もない。
「死んだ子の年を数える」というのは、人間がどうしてもやめることができない悪癖なのかもしれないが、我々は、過去に所有したステキなクルマが与えてくれた素晴らしい時間を思い出し、それに感謝しながら、今日と明日を精いっぱい生きるほかないのだ。
「ロレックス」という5文字を見かけるたびに涙し、いまだに軽く気絶してしまう私がいっても説得力はないかもしれないが、本当にそう思うのである。