ホンダアクセスが提唱する実効空力で走りは変わる
比較車両はマイナーモデルチェンジ前のヴェゼルだ。新型だけでなく従来のヴェゼルにも対応しているので、すでに所有しているユーザーやこれから中古車を買う人も装着してその効果を味わうことができるのもありがたい。
「実行空力」を謳うエアロパーツにはいくつかあるが、ヴェゼル用のテールゲートスポイラーは、上面に設けた突起とサイドの面形状によって空気の流れを整え、乱流を車両後方に遠ざけることで、高速走行時にさらなる安定した走りを実現するという。
かたやアルミホイールは、一般的にホイールは軽量高剛性であるほどよいとされているところを、ホンダアクセスではホイールもサスペンションの一部と考え、ホイール自体をしならせることでタイヤの接地面圧を高め、4輪の性能をフルに使い切れるように設計されている。
「MS-050」は標準のアルミホイールに対して重量がほとんど変わらず、ヴェゼルに合わせてリムとスポークの剛性バランスを最適化されている。
同じルートで乗り比べたところ、走りの違いは歴然としていた。走り出してすぐに感じるのは、乗り心地がいいことだ。装着車両のほうが入力が緩和されて振動が格段に減っている。さらには操舵に対して素直に回頭し、接地感も増して、走りに一体感がある。全体的にクルマが軽くなり、懐の深い乗り味になったように感じられた。
そのよい印象が高速道路ではより顕著になる。フラット感が増し、リヤがドシッと安定していてブレにくく、レーンチェンジを試みても正確に動いて、戻る際にも揺り戻しが出ない。おかげで修正舵がほとんど必要ない。装着車両のほうがルームミラーに映る後続車の姿がよりクッキリと見えたのも、気のせいではないだろう。1カ所のエアロパーツとホイールとだけでこんなにも変わるものかと感心した。
また、新型ヴェゼルでは、継続設定のふたつに新規設定のふたつを加えた、計4つのエクステリアコーディネートが選べるようになった。
試乗会では新設定の「Sports Style」でコーディネートした車両をドライブすることもできた。ブラックを基調にスポーティなイメージを高めたルックスと、前述のテールゲートスポイラーとアルミホイールといったパフォーマンスアイテムによる走る歓びを兼ね備えた魅力的な仕様である。
もうひとつの新設定となる「Active Style」は、フロントグリルやネイチャーテイストのグラフィックとしたボディサイドデカールが特徴のアウトドアフィールドでも“映える”コーディネートと“使える”ユーティリティを特徴とする。
また、メッキのアクセントとボディ同色のエアロパーツが上質で都会的なイメージを高める「Urban Style」と、カッパーブラウンの差し色がおしゃれな「Casual Style」といった継続設定のコーディネートについても、全体のテイストを踏襲しつつ、フロントグリルが新意匠にアップデートされた。
このほか、ZR-Vについては、より個性を引き立てながら調和のとれた存在感を演出するという「Premium Style」が設定されている。標準装着の18インチから19インチに拡大できるアルミホイール 「NG-030」に注目だ。
さらにWR-Vについても、上質感とタフさを兼ね備えた「TOUGH STYLE」が早くも設定された。
ポイントはフロントグリルだ。縦基調の力強いデザインにSUV らしいタフさを際立たせるワイルドなシボ表現や上質なメッキの縁取りが印象的で、WR-Vの人気ナンバーワンアイテムとなっているという。