ODDメーターに距離が出てるのに「不明」って怪しさ満点! 中古車の「走行距離不明」の原因とは?

この記事をまとめると

■中古車市場には「走行距離不明」と記載されたクルマが販売されていることがある

■「走行距離不明」となるのはおもにメーター関係に関する3つの理由が考えられる

■走行距離不明車は大きな問題を隠している可能性もあるので安易に手を出さないほうがいい

走行距離が不明なことは問題じゃない

 クルマは消耗品の塊なので、走行距離の多い・少ないはそのままクルマのコンディションの目安になる。だから、中古車の下取りでも、年式のわりに走行距離が短ければ買取価格も高価になるし、反対に走行距離が多いクルマは買取価格、販売価格ともに安価になる。

 そうしたクルマのコンディション・価値に直結している走行距離は、重要な情報のひとつだが、中古車市場には、「走行距離不明」と記載されている個体もチラホラ出てくる。

 この「走行距離不明」のクルマはどういう事情のクルマなのか? 大きくわけて3つのパターンがある。

1)メーター交換

 メーターが故障して交換したり、チューニングカーでスピードメーターをMAX180km/hの純正メーターから300km/h、320km/hなどのフルスケールメーターに交換した場合、走行距離がリセットされてしまうので、メーターの交換歴のあるクルマでその交換履歴がきちんと残っていないクルマは、「走行距離不明」扱いになる。

2)メーターを巻き戻した

 過走行を隠したり、実際の走行距離よりも短く見せかけるために、故意にメーターの走行距離を巻き戻すのは悪質な行為だ。

 かつてはこうした走行距離を改竄する例が後を絶たなかったが、2004年からは車検時に走行距離と前回の車検時の走行距離を車検証に併記することになり、さらに、2017年1月からは、過去の車検時に記録された最大値を車検証に印刷する仕組みを採用。

 これらの対策で、メーター巻き戻しが発覚しやすくなり、不正防止に歯止めがかかった。

 また、ディーラーなどに修理・点検にもち込んだ際にも走行距離が記録されるので、以前より走行距離が短くなっていれば、巻き戻しであることが判明する。

 そして、中古車のオークションに出展されたクルマは、車台番号と出品されたときの走行距離が記録される。

 全国のオークション会場はすべてデータを共有していて、一度出展されたクルマの走行距離が、前回の出品時より少なくなっていれば、メーター巻き戻しの恐れがあるとして「走行距離不明」の扱いになる。一度「走行距離不明」となると、それ以降「走行距離不明」の個体としてずっと記録が残り続ける。

3)メーター交換・巻き戻しの痕跡が見つかった

 数字的につじつまが合っていたとしても、機械的にメーターを交換した痕跡や、巻き戻しが疑われる点が発覚した場合も、「走行距離不明」となる場合がある。

 いまのクルマはメンテンナンスさえしっかりしていれば、10万kmどころか20万km、30万kmでもちゃんと走るので、走行距離が長い=ポンコツ車ということはない。それより、どこかの政治家ではないが、学歴や経歴を詐称することが問題であるように、走行距離という大事な事実をごまかしてクルマを売買するのが大問題。

 走行距離を公にできないのなら、もっと大事なこと(修復歴、冠水車)を隠している可能性も大きいので、たとえ相場より割安であっても、「走行距離不明」のクルマには手を出さないほうが賢明だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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