とにかくお金を払った人の勝ち
●口約束は御法度。可能であれば証拠になるものを残しておく
お客さん「このクルマ買いたいので、3日間だけキープさせてください」。
店舗スタッフ「いいですよ」。
よかったこれでひと安心。その間に家族を説得し、軍資金をかき集めていざ本格的に商談……と思って店舗に連絡すると「先ほど売れちゃいました」と非情な回答が。よくよく事情を聞くと、店舗スタッフが商談中としていたものを社長さんが勝手に売ってしまったとのこと。たしかに店舗側のミスではありますが、こうなってしまうとブチ切れようが何しようがもうほかの人のものです。口約束であればなおさらです。いった・いわないの不毛な争いになっても勝ち目はありません。
店舗側の対応に不安を感じたのであれば、1日1回(心情的にはもっと連絡したいと思いますが、さすがに営業妨害になりかねないので)店舗に電話をして、きちんとキープしてくれているか確認してもいいかもしれません。それでも店舗からすればいい迷惑ですけど……。
●逆説的には「商談中」のクルマを横取りできる
たまたま見つけたクルマが理想の1台だった! すぐに問い合わせてみるとすでに商談中。しかし、諦めるのはまだ早いです。「最終的な勝者」は、販売店と売買の契約を取り交わしたその人です。
あとあと悔やんでウジウジするくらいなら、現在、商談中の人に恨まれようが憎まれようが、呪いの呪文を唱えられようが、本当に欲しかったら横取りしてしまえばいいのです。こんなところでいい人ぶってる場合じゃありません。ある種の略奪婚です。
●まとめ:契約した人に権利がある。が、しかし……
売る側の常套句として「ほかにも問い合わせをしてきている人がいる」「あなたの後ろに3人待ってるよ」など、要は「この場で即決しないとほかの人が買っちゃうよ」的なプレッシャーをかけてきます。同様の経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか(私もあります)。
これは本当かもしれませんし、単なる営業トークかもしれません。この場で即決したいけど、家族を説得しなきゃ……。「今晩説得するので、1日だけ商談中にしてもらえませんか?」と店舗側に伝えれば、1日くらいであれば「商談中=仮押さえ」としてくれる確率は高いでしょう。しかし、1週間ともなれば話は別です。本当に買うかどうか(買えるかどうかも含めて)の人のために大事な商機を逃してしまう可能性があるからです。さらには、問い合わせがあるたびに「いま商談中なんで……」と断らなければならないのです。
買う側にもそれ相応の事情があることは想像できますが、商談中となっていることにあぐらをかくことなく、できれば翌日、明日から海外出張……といったやむを得ない理由でもない限り、遅くとも数日以内には最終的な意思を店舗側に伝えるのがいいでしょう。仮に買うことを断念した場合、速やかに店舗にキャンセルの連絡をするのはいうまでもありません。