何カ月も乗ってないクルマで「いきなりエンジン始動」はクルマを傷める! 正しい始動の手順と長期間乗れない場合の対策とは (2/2ページ)

できれば定期的に乗るべし!

 ただ、先述のエンジン内部に関しては上記のような対策でいいが、そのほかの補機類にも気を配りたい。

 まずはバッテリー。再始動時にセルモーターを長めにまわすことになることもあるので、バッテリーはなるべく再充電しておきたい。ガレージ保管かつ、電源を確保できる環境であれば、常時接続できるタイプの充電器があるので、それをつなげておけばバッテリーの劣化を防ぐことができる。

 また、これに関して対策のしようがないが、セルモーターは長期間置いておくと固着しやすい。そうなると新品交換かリビルト品に交換することが必要になる。できれば定期的にエンジンをかけてあげたほうが、セルモーターの寿命も伸ばすことができる。

 そんな長期間保管から無事にエンジンがかかったら、できればこのタイミングである程度しっかりと走っておきたい。水温や油温が上がるまで走ることで、オイルに含まれた水分が蒸発する。水温も上がることでサーモスタットが開く。サーモスタットは固着する場合があるので、この機会に動かすことで固着を防ぐこともできる。

 それからエアコン付き車両なら、しっかりとエアコンも作動させておきたい。筆者は過去に経験として、長期間エアコンを使わなかったクルマで、久しぶりにエアコンを使ったところコンプレッサーが焼き付いてロックし、ファンベルトが切れたことがある。エアコンも使っていないと内部の潤滑オイルが枯渇してしまうので、できるだけ使っていたほうが傷みにくいのだ。

 ほかにもブレーキキャリパーも固着して引きずりを起こしたり、タイヤも傷んだりと長期間保管にはさまざまなダメージが伴う。ただ、それでも保管しなければならない事情もあるだろう。そんなときはできるだけ頻繁にエンジンだけでもかけて、カビが生えないように室内の空気を入れ替え、ガソリンタンクが鉄製の車両であれば、錆びないように満タンにしておく。

 バッテリーは定期的に充電するか、充電器を接続。それらの対策を施しておくことで、少しでもダメージや劣化を防げるだろう。


加茂 新 KAMO ARATA

チューニングジャーナリスト

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