何カ月も乗ってないクルマで「いきなりエンジン始動」はクルマを傷める! 正しい始動の手順と長期間乗れない場合の対策とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■諸事情により長期間保管したクルマのエンジン再始動は気を使う場面だ

■数カ月程度であれば大きな問題にならないことがほとんどだといわれている

■1年以上放置してしまったようなクルマは保管やエンジン再始動時に注意すべき点も多い

長期間保管したクルマはすぐ乗っても平気?

 久しく動かしていないクルマのエンジンを久しぶりにかけるとき、そのままかけて大丈夫なのか? これに関しては、備えるならばしっかりと準備してからかけたほうがいいが、正直言えば、数カ月レベルの放置ならまったく問題ない。

 こういったケースでよく問題となるのは、エンジン内部のオイルがオイルパンに落ちてしまうこと。こうなってしまうと、エンジンを始動してしばらくはヘッド周辺が潤滑されず、ピストンリングなどがダメージを負いやすい。また、シリンダー壁も同じくオイルが乾いてカラカラの状態でピストンが上下すると傷が入ってダメージを負いやすいのだ。

 そこで、こういったリスクを控えるためきちんと備えるなら、まずはプラグを外して圧縮がかからないようにする、もしくはエンジンをかからなくしたうえで、セルモーターを数十秒まわしてオイルポンプをまわし、エンジン内部にオイルを送る。その前にヘッドカバーを開けてオイルをかければさらにいいだろう。

 また、プラグホールからエンジンオイルを数滴入れてあげることでシリンダー内部を潤滑できるので、これもダメージを防ぐには有効だ。

 そのあたりの対策を施してからエンジン内部にオイルを循環させ、それからプラグを取り付けてエンジンを始動すれば、ダメージは最小限に防げるはずだ。

 だが、正直これは1年やそれ以上エンジンを始動していなかったときの話。北海道に代表される降雪地域では、スポーツカーなどの趣味車は冬に冬眠させて、春になったら再始動……という人も多いが、そのくらいの保管期間では普通に再始動してもとくに大きな問題は起きないといわれている。


加茂 新 KAMO ARATA

チューニングジャーナリスト

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