テリオスキッド人気にあやかって登場した「テリオスルキア」! 車高を下げて2WD化……って人気部分を消して大失敗した残念なクルマ

この記事をまとめると

■2002年にテリオスキッドの車高を落として専用バンパーを備えたテリオスルキアが発売された

■専用シート表皮や黒ウッド調センタークラスターなどでより乗用車感を高めていた

■5ドアのフルタイム4WDの軽自動車というテリオスキッドの魅力がなくなっており売れなかった

乗用車感を目指したら魅力がなくなり大失敗

 1997年に登場した小型クロスオーバーSUVの「テリオス」。そのリヤオーバーハングを短縮し、ナローボディとして軽自動車枠内に収め、660ccのエンジンを搭載したのが「テリオスキッド」というのはよく知られているところだろう。

 このテリオスキッドは実質的なライバル車であるスズキ・ジムニーや三菱パジェロミニが3ドアだったのに対し、使い勝手のよい5ドアボディとなっており、ラダーフレームやビルトインラダーフレームを採用したライバルに対して一般的なモノコックボディではあったものの、センターデフ付きのフルタイム4WDの高い走破性で(2WDモデルもあり)人気を集め、1998年のデビューから2012年までのおよそ14年という長いモデルライフを誇った1台だ。

 そんなテリオスキッドの派生車種として2002年1月に追加となったのが、「テリオスルキア」なるモデルである。このテリオスルキアはテリオスキッドをベースに、より乗用車感をプラスしたものとされており、4WDモデルではなく2WDモデルを主力としたものとなっていた。

 エクステリアでは専用の前後バンパーやヘッドライト、グリルが用意され、縦基調のグリルと4灯タイプのヘッドライト、そしてヘッドライト下に備わるウインカーをもつフロントマスクはまるでミニハリアーの装い。

 リヤは背面スペアタイヤを装備せずスッキリとしたものとなり、ナンバーはバンパーからリヤゲートに移設されているが、若干右に寄っているのはご愛嬌だ。

 インテリアは基本的な造形はテリオスキッドに準ずるものの、専用シート表皮や黒ウッド調センタークラスターなどで差別化を図り、より乗用車感を高めていた。

 そして2WDモデルでは専用のローダウンサスペンションと185/65R15のタイヤ(4WDモデルは175/80R15)の装着で全高を45mmも下げており、腰高感の解消を目論んでいたのだった。

 ただ、テリオスキッドが人気を集めたのは5ドアボディとフルタイム4WDを備えた唯一の軽自動車だったことが主な理由であり、2WDの5ドア車であればほかにもさまざまな選択肢があるなかで、あえてテリオスルキアを選ぶユーザーはほとんどいなかったようで、2003年8月には早々に姿を消している。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
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長距離ドライブ
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