暖気はたっぷりやってできるだけ低回転でそろーっと走る……はむしろエンジンを傷める! 本当に正しいクルマのエンジンのいたわり方とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■たまには高回転までブンまわすのはエンジンにとっては正しい行為だ

■暖機運転はエンジンにとっては逆に負担がかかりエンジンを傷める可能性が高い

■エンジン回転数が低いときは油圧も低くエンジン内部にダメージを与えかねない

エンジンをいたわっているつもりが逆にストレスを与えている

 クルマを労りたい。だからこそ、負担をかけないようにそろーっと走る。これは間違いではないが、でも正解ともいえない。たまにはエンジンをブンまわすのもエンジンにとってはいいことなのである。

 エンジンを傷めないようにしっかりと暖機運転して、走るときもできるだけ高回転までエンジンを回さないように走り、走行後はアフターアイドルをしてエンジンを労ってから止める。これは正しいようで大間違い。全部間違いである。

 まず、エンジンをかけてしばらく放っておく暖機運転。これは不要どころか、エンジンを傷める可能性が高い。エンジンをかけた直後にオイルが循環するまで10秒ほど発進まで待つのは理解できる。しかし、そこから先は逆効果。

 水温やエンジンオイル油温が上がるまでアイドリングで待つ暖機運転をする人もいるが、アイドリングでエンジン回転数が低いときはエンジンオイルの油圧も低い。そうなるとクランクシャフトなどフローティングメタルの油圧が浮き続けることができずに、クランクシャフトとメタルが接触。ダメージを与えてしまうことがあるのだ。

 そのため、エンジンをかけたら数十秒で発進するのが正しい。それから水温や油温が上がるまでは急加速をしないように丁寧に走ってあげればOK。むしろそのほうがエンジンに対する負担は少ない。


加茂 新 KAMO ARATA

チューニングジャーナリスト

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