名前は聞いたことなくてもじつはお世話になっている
●環5(環状第5号線)
港区の南麻布から北区滝野川に至る「環状第5の1号線(環5ノ1)」と、北区王子から荒川区荒川に至る「環状第5の2号線(環5ノ2)」で構成される環状線。ほとんどの部分は明治通りと重複しているため「環5=明治通り」という認識でおおむね間違ってはいないが、新宿や池袋の繁華街をバイパスする部分は、明治通りから若干外れている。
●環6(環状第6号線)
品川区の東品川2丁目から板橋区氷川町まで、JR山手線のちょい西側を沿って走るイメージの環状線。環状線といっても半円状の環状線だが、戦前の計画では皇居の東側エリアまでぐるりと巡らせる計画であったらしい。「山手通り」とほぼ一致しており、ほぼ全線で「首都高中央環状線」も地下に並行して通っている。
以上が環1から環6までのざっくりとした概要だが、ここまできたからには、ついでに(?)環七通りと環八通りにも軽く触れておこう。
●環7(環状第7号線)
大田区の平和島を起点に、目黒区と世田谷区、杉並区、練馬区、北区、足立区、葛飾区などを通って江戸川区臨海町に至る環状線。通称は、ご存じのとおり「環七通り」。東急世田谷線が環七をまたぐ世田谷区の「若林踏切」は、環七通りで唯一の踏切。
といっても信号機があるため、車道側の信号が青であれば、東急世田谷線のチンチン電車は環七の手前で停車し、信号が変わるのをじっと待つことになる。その姿はけっこうカワイイ。
●環8(環状第8号線)
大田区の羽田空港3丁目から世田谷区と杉並区、練馬区、板橋区を経由して北区赤羽に至る半円状の環状線。通称はもちろん「環八通り」。東京外環自動車道(外環)や首都圏中央連絡自動車道(C4/E66)などができるまでは、第三京浜や東名高速道路、中央自動車道、関越自動車道などの高速道路の受け皿にもなっていた。そのため走行性が重視され、立体交差が優先される形状で整備されている。
ちなみに筆者が高校生だった1980年代は、大田区の鵜の木付近の環8予定地にお寺さんのお墓がドーンと構えており、その付近は未開通だった。そのため環八通りを進むためには細い道を通って迂回していく必要があったわけだが、スマホがない時代の方向音痴ライダーだった当時の筆者は、羽田空港のほうへ南下して行くつもりが、迂回しているうちに方向感覚を失い、なぜか多摩川沿いをひたすら西進していたという苦い思い出がある──なんて話はどうでもよかったですね。すみません。