2024年上半期の新車販売台数は昨年割れ! 復活の鍵は「トヨタの納期」と「ダイハツの出荷」回復にあり!! (2/2ページ)

2024年下半期は良くも悪くもトヨタとダイハツ次第

 ここからは2024暦年締め上半期(2024年1月~6月)の累計新車販売台数を見ていくことにする。

 登録車の累計販売台数は123万4102台(前年同期比90.2%)となっている。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が出て外出自粛要請が全国に出るなど、社会が混乱していた2020暦年締め上半期(2020年1月から6月)の累計販売台数とほぼ同じとなっている。

 納期遅延傾向は多くのメーカーで収束していると前述したが、圧倒的な国内販売シェアを誇るトヨタでは人気車を中心に新規受注停止や納期遅延が断続的に発生しており、他メーカーほどの回復傾向は見えていない。これが累計新車販売台数に影響を与えていることは否定できない。

 つまり、「新車が欲しいなぁ」と考えていても、購入希望車種のなかで希望するトヨタ車の納期が他メーカー車に比べるとやや長めとなってしまっていることも多いので、それほど新車への乗り換えを急いでいない人ならば、「しばらく待つか」といった感じでテンションが下がってしまい、積極的な新車への乗り換え自体を諦める人も出てきている。それが販売台数を伸び悩ませているのかもしれない。

 ただし、現状では量販車種を中心に年末までに納車可能な車種が目立ってきており、下半期の登録車販売は期待が持てそうである。

 軽四輪乗用車の2024年1月から6月までの累計新車販売台数は56万5975台(前年同期比83.4%)となった。前年比でふるわない理由はもちろんダイハツの出荷停止が影響していたのはいうまでもないことだろう。

 それでも2024年6月単月をみると2023年比で7割弱まで数字を戻してきている。暦年締め下半期はより回復傾向が顕著になってくるものと思われる。

 ただし、ダイハツの軽自動車は依然として届け出済み未使用軽中古車が目立って多く流通している。いまの回復傾向のなかで統計台数上積みを狙った「自社届け出」が積極的に行われているのならば、今後は市場に届け出済み未使用軽中古車の在庫が、いま以上にオーバーフロー気味となるので、新車販売台数の伸び悩み傾向が続いてしまうかもしれない。

 とにかく軽自動車はダイハツの動き次第ということになりそうだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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