国家元首はクルマ好き!? ロシアもアメリカも北朝鮮も報道から見えるクルマへのこだわり (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2018年のモスクワモーターショーで「アウルス・セナート」が発表された

■ロシア人は世界屈指のクルマ好きでモスクワ市内ではラーダの改造車も多く見られる

■北朝鮮やアメリカといった各国の代表からもクルマ好きの片鱗を見ることができる

「アウルス・セナート」ってなんだ?

 本稿執筆時点では、日本はもちろん世界中でロシアのプーチン大統領が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)を訪問したことが大々的に報じられている。訪問に関する主な話題は一般メディアに任せるとして、北朝鮮に降り立ったプーチン大統領の前には、ロシア製のアウルス・セナートが出迎えていた。

 アウルス・セナート登場までのプーチン大統領専用車はメルセデス・ベンツSクラス(プルマン/もちろん装甲仕様)だったのだが、「我が国の大統領が西ヨーロッパ(クリミア半島侵攻前から何かと文句をつけてくる)のクルマに乗っていていいのか」という世論もあり、自国のクルマの開発が行われたとも聞いている。

※画像はイメージ

 筆者がアウルス・セナートを初めてこの目で見たのは、2018年のモスクワモーターショー会場内であった(当時は偶数年開催[今は奇数年開催])。すでに2014年のクリミア半島侵攻以降、日本も含む西側の自動車メーカーのほとんどはモスクワモーターショーへの出展を取りやめていた。

 実際、韓国ヒョンデ(起亜も)と、中国メーカー、アゼルバイジャンなど中央アジア諸国系、そしてルノーなど西側メーカーのほんの一部しか外資メーカーが出展していなかった。しかし、世界の自動車ショーのなかでもロシアンブランドとなる「ラーダ」の広大な展示ブースがあり、メインイベントとなるラーダのプレスカンファレンスが見られるのはここだけなので、筆者の満足感は高かった。

 とはいえこのような状況なので、2018年も「どうせラーダとプラスアルファ程度だよな」と思いながら会場を訪れると、アウルスがブースを構え、セナートを正式発表していて驚かされた。

 ロシアの人たちは筆者から見ると、世界屈指の「クルマ好き」にも見える。厳しい統制経済となっていたソビエト時代でも、クラス制限はあるにしろ自動車の個人所有が認められていたと聞いている。ただし、計画経済だったので注文を入れたあと、忘れたころに納車になっていたとも聞いている。

 モスクワ市内ではいまも古いラーダ車を改造して乗っている人も目立つし、日本からマークIIなどの古いFR車を中古車として輸入し、太いマフラーをつけ車高を落として乗っていることも珍しくなかった。スーパーのおもちゃ売り場へ行けば、ロシアンブランドのラーダをはじめ、筆者が興奮して「大人買い」してしまったほど、豊富にロシア車のミニカーが売っていた。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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